前鬼川

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葉月 十四日(土曜日)

誰かがまた写真機を置いて帰ったようだ。どれ、久しぶりに、沢を登ってくる者でも写してみよう。

おや、黒谷出合にいるのは、小(こ)づぬだな。後ろの小さいのは、ゲン鬼か。ポ鬼も来る。

ゲン鬼は沢登は初めてらしい。小づぬ、歩くのが速いようだぞ、少しは加減してやれ。ポ鬼、お前はあいかわらず遅いな。

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今日は小づぬよりも、ゲン鬼が頻繁に写真機を覗いているな。カエルなどにも関心があるのか。ここにはたくさんいるぞ。小学校の”じゆうけんきゅう”?何だそれは。これ、小づぬに頼まずに自ら捕まえなされ。取って食いはしない。

釜で小づぬが泳ぎ始めた。水が好きな奴だ。

そのとおり、あまり近づくと吸い込まれるぞ。ゲン鬼は滝をよく見ておくがよい。

小づぬがゲン鬼のために綱を垂らしている。ゲン鬼、ゆっくり登りなさい。ポ鬼、お前までまさか綱に触らないだろうな。よし。触ったらどうしてやろうかと思ったよ。

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さて、次は渡渉だよ。小づぬが先行し、ゲン鬼は綱を伝って渡れ。おい、ポ鬼お前も便乗か。甘えているぞ、それに腰が引けている。

「意外と行けますよ」そうだ、ゲン鬼、言ってやれ。

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次は、ゲン鬼には少し難しい場所だな。おや、左岸から来る気か。そちら側は勧めないが・・ほら、ゲン鬼が滑った。小づぬに襟を掴まれて猫のように固まっておる。大丈夫、そこは落ちても流されないよ。そう、右岸に回れ。小づぬが木に綱を付けた。ゲン鬼には良い練習になろう。

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ここを登ったら、私が居るところまでもう少しだ。小川の所は少し滑るから、慎重に足を置くように。おい、ポ鬼は小川も迂回か。ゴム底で滑る?それならフェルトで来い。

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おお、来たな。小づぬとポ鬼が顔に受けて飲んでいる。私が磨ききって送り出している水だ。ゲン鬼、もっとたくさん飲んでいけ。

垢離取場まで行くのだな。

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少し先にも足を延ばしていくがいい。

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ここも美しいだろう。

小づぬは滝を滑り落ちるのが好きだな。ゲン鬼も見て楽しそうだ。そら、ポ鬼も行け。あれ、途中で止まった。怖気づくからだよ。

「あっ!」

どうした、ビ鬼。あ、小づぬに捕らえられたのか。

「昼寝をしていたところ、油断しました」

まあ、写真ぐらい撮らせてやれ。”じゆう某”に要り様らしい。

「はい。あ~小づぬ、投げないで・・・」まあ、少し泳いで見せてやれ。

「しずく様、誰とは申しませんが、カエルが泳ぐときに前足を使わないのを知らなかったようです」

・・・信じ難いな。

 

今日は登山道で帰るのだな。

では、最後に少し陽射しを注いでやろうか。

小づぬ、ゲン鬼、ポ鬼、滝から釜を見てみよ。

 

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三者ともこの緑色の輝きが好きなようだ。驚き、喜んでいる。

来年来たら、また見せてやろう。

 

投稿:サッポロ一番

「前鬼川」への3件のフィードバック

  1. 前鬼にちなんで、メンバーを鬼たちに喩えた素敵なレポですね!
    それと、可愛らしい背中が心強い。
    将来のお子さんたちの成長が楽しみです。

  2. サッポロ一番さん
    何と言えば良いのか…。素晴らしい記事をありがとうございます。

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