【台高】馬の鞍谷下降・白倉又谷本渓溯行

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平成29年10月1日(日)日帰り

メンバーわらじ会員2名:シブちゃん、サッポロ一番

久しぶりにシブ隊長よりお誘いのメールが届いた。もちろん沢には行きたいのでその旨返事する。なお、私の力が及ばず遡行に支障があってはいけないので、あらかじめ「まったり癒し渓がいいな」「歩くの遅いのをご承知ください」といつもの文言も付け加えておく(言わなくても既に承知されているとは思ったが、お忘れになっていては、と念のため)。隊長からは、「下降して溯行する二度おいしい」「癒し渓らしい」とのお返事。今回もまた半信半疑で当日を迎えた。

 冬のような寒さのなか、大台ケ原ドライブウェイ沿い「経ヶ峰」付近より馬の鞍谷に向けて尾根伝いに下降していく。

地図で見てルートは想定しているらく、シブちゃんの足取りは軽い。下降中、しだいに暑くなってきた。着ていたカッパを途中で脱いだりしながらシブちゃんの後を追う。やがてシブちゃんの読み通りに馬の鞍谷に降り立った。ここに着いた頃には沢に入ったように汗だくになっていた。

 

ここから沢下降開始。大小数多くの滝があり、真夏であれば、積極的に水に浸り、滝の姿を振り返りながら下ったりして楽しいだろう、と想像する。しかし今回は、小滝や連滝の巻き下りなどに意識を集中しており、滝を鑑賞する心の余裕がない。

 

下降するにつれて滝の多さが私の許容量を超えたようで、個々の滝の姿が短期記憶に落ちる前に通り過ぎていく。一方、先に降りたシブ隊長は「そこで待ってて」とルートを逸れて滝の撮影に。その都度、私は水分補給し一息入れる。

 

岩壁の中が斜めまっすぐに侵食されているのだろうか、 地を刺すように落ちる滝。 チムニー18ⅿ

白倉又谷との出合い(白倉又谷Co.750ⅿ二股)に到着。さあ、ここから白倉又谷本谷溯行の開始。「登っちゃいましょうか」とシブちゃん。その言葉を待ってました。

リードはもちろんシブちゃんで。なぜか中間のこのあたりで時間をかけている。鐙を付けようとしていたのか?

次に私の番だが、ナッツを2本回収できず。今度は私のビレイでシブ隊長が回収に下降。押しても引いてもどうやっても外れなかったのに、2本とも回収。さすが・・・。

上に現れたのは3段20mの滝。ここは左岸を巻く。このあたりから多くの滝と「癒し渓」でなく「おどし渓」というべき高巻が時々出てくる。(シブ隊長にとっては何でもない坂道かもしれないが)

遡行中は、滝が多すぎて(あるいはコケたらあかん、と安全に意識集中していたため)「二条だな」「C.Sだな」とその場でその程度の認識しかできていなかった。下山後にシブ隊長からもらった数々の滝の画像を見て、美しい滝がこんなにあったのだと記憶を再構築する。

下の画像の、狭くて小さい連滝で予想外に時間を費やすことに・・・。画像中央のC.S.の先にあるもう一つのC.Sを越えてから、その先は難しいと判明。シブ隊長の判断で引き返すことになった。懸垂下降のためにC.S.にかけたロープが抜けず、私が降りた後に、またシブ隊長がロープ回収に向かうが、やはり最後には引っかかって取れない。この間、私がロープの片方の末端を残して無造作に水中に置いてしまい、それらがシブ隊長のいるほうに流れ下っていく、という失態もおかす(すかさずシブ隊長が拾い集め、事なきを得た。)腿や脚をつらせながらも淡々と取り組むシブ隊長に感謝しかない。 

「巻いたらすぐだっただろうにね」とシブちゃん。無事脱出し、左岸からの高巻きに転換する。

しかし、私の記憶では、この高巻も「すぐ」なんてものではなかった。登りながら勾配がきつくなり、地面が柔らかくなり、つかめるものが少なくなり・・で、「落ちるかも」の雰囲気になる。

「怖いんだけど」とシブちゃんに言ってみる。「じゃあ、どうするの、戻るの」との返事。いつかのような「そんなもん、足を置いたらいいんや」という言葉ではないが、まあカテゴリー『ほかに方法ないでしょう』で同じか。

急勾配をトラバースしながらシブ隊長は時折「ちょっと待ってて」とルート偵察のため視界から消えるのだが、「シブちゃん落ちんといてや」とか「ここで私が落ちたらシブちゃん一人では救助できないだろな」「落ちた場所は予想しやすいだろうな」など考えながら、またなんとかついて行く。

このあとも滝が多かったような気がするが、画像を見てもほぼ思い出せない。「電池が残りわずかになったため記録を終了します」の状態。

やがてガレ場っぽい二股に至る。ここからアプローチ地点まで、ひとまず左の沢沿いに上がることにした。しかし、結構時間がかかる割には開路いまひとつのようであったため、シブ隊長の判断で尾根に逃げようということになる。

登ってみると尾根までが結構長い・・・。「尾根って遠いよね~登っても登っても空が近くならない」と頭の中で独り言が繰り返されるが、高巻きに比べれば恐怖もないし、木やら根っこやら、いろいろと掴める安全地帯。それに、夕方が近づいて風が冷たいせいで、幸い暑さで体力を消耗する、ということもない。ゆっくりだが立ち止まらずに進めた。「これが真夏だったら無理だな」「S本さんは5回は大の字になるだろうな(木でセルフとって)」「ココヘリ頼んでも発見されるまで水分もたないな」「小山さんも熱中症で動けなくなってるよ」など妄想しながら・・。

やがて林道に至り、そこからまたドライブウェイに向けて尾根を登る。これまた空がなかなか近づかないわ・・妄想もなくなったころ、先行するシブ隊長から「もう少しだからゆっくりでいいよ」と声がかかると、気が緩んだのか、都合のいいもので足腰にだるさを覚えた。シブちゃんの読み通り、ほぼ予定地点に上がる。日没前だがドライブウェイは冬のような寒さ。

いつになっても、沢は怖いと感じ、無事下山できたことを有難く思う。今回の山行も楽しかった。機会があればもう一度行って、今回目に映しきれなかった景色をゆっくり見てみたい。

「まったり」した場面はあったかな?思い出せない。「癒し渓」かどうかは、個人の基準次第なのでなんとも言えないですが、私の心のどこかは癒されたと思います。シブちゃん、またよろしくね。

サッポロ一番

 

 

「【台高】馬の鞍谷下降・白倉又谷本渓溯行」への7件のフィードバック

  1. 中ノ川のんもオモロかったっすけど、今回も読み応えありました。各場面での心の動きや、お相方の表情が浮かんでくるような掛け合い等、ほんま素晴らしいっす。直木賞も開高健賞?!も総取りじゃないっすか?毎回、期待を裏切らない筆致。次の力作も期待して草葉の陰で待っとります!

    1. 半年も前のレポにコメントいただき、どないされたんやろ、と驚きました(^_^)名塩村民さんの最近の山行も知りたいですわー。替え歌、いや、新曲もお待ちしてます。

      1. 「半年以上、見てなかった」ってことっす。1年以上かも。小山さんのブログから辿り着きました。今年の私の山遊び記録も幾つか ご覧いただけるようになっておりますですよ。替え歌、新曲のリリース予定はごじゃいましぇーん。w

  2. レポ有難うねー。

    結構、余裕やったと思ってたんやけど、
    レポを読んてみると、いっぱいいっぱいやった??

    黒部の谷に向かう身を切るような緊迫感と比べると、
    大峰・台高は我が家に帰ってきたような安らぎを感じるわ。

    1.  私の中の危険察知器の針はよく振れてたよ。これまでに、その自覚がないときに怪我したり何か仕出かした率が高いので「いっぱいいっぱい」の意識でいることは必要なんだろうね(^^ゞ。
       黒部に行ったことはないし、場数も踏んでいないので、溯行の厳しさの比較で「安心感」を得ることはできない。でも、(大峰・台高ですが)危険で怖いと思いながらもまた行きたくなるのは、その景色の中に安らぎも感じられるからだと思います(絶対的だけど、見てる間限定かもしれん)。

      1. それに気付けなかったのは、悪かったね。
        でも、危なげな行動がないので、いつも安心してますよ。
        また懲りずに一緒に行って下さいね!

        1. こちらこそです。ロープまで担いでもらって、ロープワークもシブちゃん任せ・・・。
          持久力と技術ともに修練が必要です(*´Д`)

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