事故後の経過と大阪わらじの会の対応

事故後の経過と大阪わらじの会の対応

文責  岸宗 淳一

 

815

2300        川崎実氏の家族から、大阪わらじの会の事務局の池田まで下山連絡が無いと電話連絡が入る。

2340        池田より、大阪わらじの会のメンバーに、緊急MLにてメール送信。一応明日の10時まで下山連絡待つことにする。

 

816

025          家族から吉野警察へ捜索要請

640          池田から岸宗に電話連絡。警察・消防団・森林組合の方々が8時半から捜索活動に入ると連絡受ける。(岸宗・池田 留守本部担当)

651          先発隊予定の加藤に現在の状況報告する

655          加藤・和田で相談の結果、先発隊は10時まで待機するとのこと

704          加藤から10時まで待機の連絡受ける。

710          池田に連絡。先発隊は10時まで待機すると報告。今夜、大阪わらじの会の緊急集会要請。

1200  加藤・和田が吉野警察に到着。梶谷合流。

1222  加藤から電話連絡有り。現在警察・消防団・森林組合26名で捜索中に川崎氏のテント発見との報告受ける。

1230        加藤・和田、上市駅で國頭と合流。

1244        加藤からの情報を緊急MLに送信。

1300        川上村道の駅で、先発隊加藤・和田・國頭、岩崎と合流。梶谷・上野とは、現地で合流予定。

1400   先発隊、コブキ取水口で警察・消防より捜索範囲確認する。大黒構谷手前の林道広場(現地本部)に到着。この時点で大阪わ

らじの会OB(渓游会)・川崎氏の家族・友人の平澤氏・職場の同僚到着済み。

1420        大黒構谷上部ゴルジュ捜索開始。岩崎・加藤・梶谷・國頭の4名。

1620        捜索打ち切り。

1630        警察:消防団・森林組合捜索打ち切り。明日以降捜索しないとの連絡。

1828        加藤より電話連絡。本日は川崎氏を発見出来ず。明日、大阪わらじの会から捜索に行けるメンバー伝える。

1900        都島区民センターで緊急集会行う。岸宗・池田・馬場・嶋村・槌矢・上阪・丸本・中田・長谷川夫妻・高橋・小野・梁瀬の12名で今後の対策協議。

2030        集会解散後、馬場:嶋村・上阪・長谷川夫妻の5名現地に向い出発。吉田誠・高橋の2名は010分自宅出発。

 

817

230       OBの茂木氏、山崎氏 現地本部到着。

430       起床、本日の捜索打ち合わせ。

700       4班体制で捜索出発。

         A班 本流ゴルジュ~コブキ

       メンバー 和田謙一・馬場貴・上阪徹三・國頭迪夫

         B班 大黒河谷ゴルジュ(林道から本流出合下降)

       メンバー 岩崎慶訓・加藤文彦・長谷川耕司・

                                         長谷川真由美

         C班 本流下降~ダム湖

       メンバー 嶋村隆・柳内利次

         D班 大黒構谷上流&塩ノ谷

       メンバー 梶谷良平・吉田誠・高橋史香

 

 各班の簡易記録を以下に記す。このうちA班が遺体を発見した。なおA

班およびB班の詳細な捜索報告書は後記を参照のこと。

 

A班 本流ゴルジュ~コブキ

735       林道より本流へ下降開始。

811       本流のフジノトコ着。

815       無線交信試みるが、感度無し。

826       本流下降しながら捜索開始。

1027     小黒構谷出合着。

1135     出合より100m下流の滝の上から下流の釜に人らしき物体発見。

1140        4名にて確認のため下降開始。

1220        釜の中で仰向けになっている、川崎氏を確認する。これ以上流されないよう、川崎氏をザイルにて固定。この時点で無線交信試みるが、無線感度無し。

1300     無線交信可能な場所へ移動するため、4名上流へ引き返す。

1420     小黒構谷出合着。この時点で無線通信可能。遺体発見の一報を現地本部入れる (以後、この時刻が公式な遺体発見時刻となる) 。小休止後、各自現地本部に向け出発。

1700     現地本部着。

 

B班 大黒河谷ゴルジュ(林道から本流出合下降)

            報告者  長谷川真由美

7:10
頃     白川又林道から大黒河谷へ入谷。ゴルジュまで谷はナメ滝の続く至って平穏な渓相で、皆で手分けし淵の中を覗き込んだり、両岸の斜面を観察しながら谷を降る。

7:40頃     ゴルジュ出口の滝の頭に到着。左岸ルンゼから高巻き下降。高巻きながら、斜面のあちこちを見回したが、痕跡らしきものは見付からず。

8:30頃      

高巻きを終え、ゴルジュ内の二段20m滝の前に降り立つ。降りた岩棚の下には10mほどの滝が掛かっており、その10mどの滝の前には細長い淵があり、その先が段差のようになっていて、もう一つ滝があるのが分かる。岩崎・加藤・長谷川(耕)三名が、ザイルをフィックスし、岩棚から懸垂下降にてゴルジュ内部に降り、捜索することにする。長谷川(真)は、滝上にて待機。三名、CSの滝の頭まで下降するが、手掛かりは見出せずに引き返す。

9:30頃     ゴルジュ内には、痕跡を見出せなかったので、今度は高巻きルートを捜索。左岸のブッシュバンドをトラバースして行くが、樹木が少なく、バンドも途切れており、ルートファインディングが難しい。偵察したCSの先の淵の縁へ、最後は1ピッチの懸垂下降にて、谷中に降りる。

13:00頃   数個の滝をクライムダウンして、本流との出合まで。後は簡易な河原歩きでス取水堰堤まで至る。

 

C班 本流下降~ダム湖

            報告者  嶋村 隆

7:20頃     取水堰堤に至る尾根筋の架設階段設置の林道から下降

8:00頃     取水堰堤到着 堰堤取水部、堰堤上流100m程捜索

                   大岩のある流れの中を下流域にかけて捜索開始

                   取水堰堤から下流域の水量はそれほど多くなく、通常の水量と判断

         下るに従い、大岩が多くなり通過にしにくくなる、小滝の淀みや大岩の影、両岸の水際を捜索

9:00頃     地形図上の滝記号のある手前からゴルジュが始まり、左岸沿いに高巻を2回強いられ、最後はザイルを出して河原に下降

         流域は南東の流れから南に流れを変え、大岩が多く点在するようになる

       ここまで両岸の水際、大岩の影、流れの淀み、小滝の釜など捜索するが手がかりなし

9:30   これ以上の下流域の捜索は得るものがないと判断し、すこし上

流に戻り流れが南に転じる右岸の緩い尾根を登り返す

10:00      林道に到着、偶然本部連絡用車両と遭遇、本部に戻り捜索結果を報告

 

D班 大黒構谷上流&塩ノ谷

            報告者  高橋 史香

7時頃         梶谷、吉田(誠)、高橋の3名で大黒構谷の林道出合いから上流に向けて、大滝までの区間を捜索。大滝付近や、小さな支流、岩の陰なども探したが手掛かりは得られず、11時ごろ本部へ戻る。

 

11時半頃    吉田、高橋の2名で大黒構谷支流・塩ノ谷の林道出合い~二股までの区間を捜索。手掛かりは得られず、1時半ごろ本部へ戻る。

 

現地本部の記録

800     川北氏・下村氏が現地本部到着。

1330        中山氏が現地本部到着。

1240        D班 捜索終了 現地本部に戻る。

1350     警察現地本部に来る。

1420     現地本部にA班から遺体発見の無線入る。

1455        C班 捜索終了 現地本部に戻る。

1525        B班 捜索終了 現地本部に戻る。

1440        警察に連絡 (関係公的機関に連絡)

         留守本部に連絡。

       今後の対策会議(A班より、本流の水温かなり低く、搬送活動は水中作業になるため、保温対策としてウェットスーツの要請有り)。

1600        ウェットスーツの買出しへ現地本部より出発(中山・山崎)

1640        現地本部から応援要請。

         小野・丸本・中田・岸宗・北條、各自現地に出発。

1700        警察到着。

1830        警察・消防と明日の打ち合わせ。

2330        中山氏・山崎氏がウェットスーツ購入後,現地本部到着。

 

818

715          現地本部にてミーティング。以下のようにA班とB班を編成した。

                   A班 消防隊と本流~コブキまで遺体搬送。

            メンバー 加藤・梶谷・岩崎・北條・上阪・中田・丸本・小野・長谷川耕治 真由美・和田

                   B班 機動隊とコブキ~取水口まで遺体搬送。

                   メンバー 嶋村・加納・柳内

820          消防隊到着。

840          現地本部出発。

850          A班・消防団が林道より尾根伝いに本流へ下降開始。

                   人数:大阪わらじの会11名。消防団4名(メンバー2名と消防団1名は本流到着後、尾根引き返し林道に戻る)。

910          B班・機動隊が林道より階段にて取水口へ下降開始。

                   人数:大阪わらじの会(OB含む)3名 機動隊20名。

930          A班・消防団、本流到着。

950          A班・消防団、本流下降開始。

1000        B班・機動隊 コブキ着。

1050        A班・消防団、遺体現場到着。

1100        A班・消防団、搬出活動開始。

1301        A班・消防団、コブキにてB班・機動隊と合流。

1345     取水口到着。

1440     遺体を林道に引き上げ終了。

1455     遺体は検死のため吉野警察へ、

         川崎氏の妻・川崎美保子と友人が同行する。

1500        大阪わらじの会・OBは現地本部に全員集合。

 

1700        現地本部解散。

 

 

 

捜索関係者

 

 

 

大阪わらじの会

 

嶋村 隆、上野 恵司、馬場 貴、和田 謙一、岩崎 慶訓、北條 更、加藤 文彦、梶谷 良平、小野 肇、岸宗 淳一、丸本 泰三、

 

長谷川 耕治、長谷川 真由美、中田 然一、上阪 徹三、吉田 誠、

 

高橋 史香、國頭 迪夫

 

 

 

大阪わらじの会(OB

 

16日 吉岡 章、柳内 利次

 

17日 茂木 完治 山崎 詮、中山 敬章、吉岡 章、柳内 利次、

 

            川北 洋、下村 誠

 

18日 茂木 完治、山崎 詮、中山 敬章、柳内 利次、加納 基嗣   

 

 

 

川崎氏の友人

 

16日・17日・18日 平澤氏

 

 

 

関係公的機関

 

吉野警察署

 

639-3118 奈良県吉野郡吉野町185-1

 

吉野広域消防署

 

639-3443 奈良県吉野郡吉野町大宇宮滝17-1

 

上北山役場

 

639-3443 奈良県吉野郡上北山村大宇河合330

 

上北山森林組合 

 

639-3701 奈良県吉野郡上北山村大宇河合34

 

 

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