新宮川水系十二滝谷十二滝 大滝登攀 2023年1月22日

十津川村に訪れる際、国道168号線から見ることの出来る十二滝。ネット上の登攀記録も少なく、記録がヒットするのは当会のシブ&コージと渓遊会のまんまさんの記録くらいだ。アップされていないだけでもっと登られていると思うが、どうやら運が悪いと通報されて何かと面倒らしい。そりゃあ沢登りや大滝登攀をやらない人からすれば、ドエラい所に人が居る!ってなってしまうのだろう。その先入観からか、登りたい気持ちはあっても機会を得ずに数年前から計画が先送りとなっていた。

 

 

メンバーは私RED EYE、アサラト妖精、紀伊半島彷徨いクラブからわんこ♂の3名。わんこ♂は昔から知った仲で自分にとっては最強の相方で兄弟分である。勢いのある若者達を纏め上げ、面倒見の良い人格者であり変人だ。アサラト妖精は最近はメキメキと登攀力を上げ、フリークライミングでも沢登りでも場数を踏んで勢いのある若手メンバーだ。

前夜は近くの道の駅で車中仮眠。翌朝起きるとフロントガラスは霜で凍り付き、寒さに悶えて登攀意欲は霧の中に消え去った。やる気は0%、現場に行って滝でも凍ってれば、さっさと温泉に浸かって観光でもして帰るかと思っていた。年中、冬でも沢に入る割には寒さに弱く、末端冷え性の私は指先感覚が無くなると一気にやる気も無くなる。意気消沈しながら準備を済ませ、十二滝の滝見台へと向かうが、さすがは日当たり良く登れる状態。気持ちを切り替えて登攀開始。

1P目はわんこ♂。人工のセクションは右側から躱して巻き気味に。二番手で登りながら、人工セクションを眺めていたが、何とかフリーで登ることは可能だと判断できる。しかしわんこ♂の言う通り、残置を使ってしまうとフリーではなくなるとゆう定義は間違っていない。ハング帯が連続する脆い岩壁を、弱点を探りながらグラウンズアップでオンサイトを決めるには、それ相応の覚悟が必要だと感じる。また再訪した時にでもトライしてみても良いかもしれないが、剥がれ落ちる岩質にどうも登攀意欲は湧かないし、リスクをおかしてまで挑戦する価値は見出せなかった。

 

2P目はアサラト妖精のリード。水線に寄るトラバースを熟して直上する気持ちの良いセクション。何故かクライミングシューズを履いてるのは私だけで、わんこ♂もアサラト妖精も沢靴のまま。実際のところ、ラバーの沢靴で充分なほど容易な登攀グレードだが、万一厳しくなって途中で履き替えるのが面倒なので、最初から履いていたのは私だけだった。最終で登るとプロテクションが少な目なのが気になったが、わんこ♂がアサラト妖精に指摘してくれていたようだった。自分自身もそうだったが、登攀力が上がってきたり、登ることに夢中になるとプロテクションの取り方が疎かになりやすい。気を付けないと、容易なセクションでランナウトすると、厳しいセクションに入って体勢が悪い時にプロテクションを取れずにドハマりする事もあり得る。私は過去の事故経験から、面倒でも浅効きでも、とにかく取れる箇所ではプロテクションを取るようにしている。これから場数を踏んで、色々と経験を積めば、アサラト妖精は良い沢屋になるだろうなと思う。(上から目線で申し訳ない。)

3P目は水線を横切り右岸側から直上するセクション。順番的に私のリードだが、どうしてもシャワーは嫌だと思ったが、結局は頭から水を浴びないとトラバース出来ないラインだった。

寒くて指先感覚はないし、ミウラーのソールも冷え切って固くフリクションは効きが悪い。

後続に食らいやがれと思いながら水流のど真ん中でバチ効きのハーケンを打ってやった。そんな悪意を込めたせいでバチが当たったのか、手元が狂って何度か自分の指をハンマーでシバいてしまった。

それとは別の指がヌメるなーと思ったら、悪い癖で寒いとアホほど保持ってしまうので、爪と肉の間が割れて出血していた。ただし登攀グレード的には難しさはなく、ただただ寒いだけのセクションだった。見下ろすとギャラリーもチラホラ。通報されないためにも愛想を振りまき手を振る。ちゃんと手を振り返してくれたり、クラクションで返事してくれたりなので大丈夫そうだった。

右岸側の適当な立木で終了点を作り後続を引き上げる。

 

 

最終ピッチはわんこ♂、最後は少し泥臭い沢登り感のあるセクションで、意外と悪い箇所が多かった。実際落ち口の手前で私は3度ほどフォールした。ここは沢靴の方が良いなーと落ちてぶら下がりながら思っていた。最終のアサラト妖精も、私が落ちた箇所で気持ち悪そうに登ってきていた。やはりこうゆう場面ではわんこ♂は上手く登るなぁと改めて感心する。

登攀時間は3時間弱、全員が怪我無く登攀終了。

滝の上部も小滝が続いているようで、沢登りとして継続して遡行しても面白そうだった。が、冷えた体は温泉を求めている。用事は済んだのでさっさと下山を開始する。

下山は右岸の踏み跡からロープも要らず快適。山と高原地図に記載がある十二滝谷の西側に位置する布引滝はどれか分からず、枯れたルンゼの壁が滝なのかなーと思いながら下っていた。30分ほどで下山完了。

 

湯の峰温泉に浸かって本日の登攀は終了とした。

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1件のコメント

  1. レポ読み応えありました!
    青空バックに日差しを浴びる十二滝谷大滝、気持ちよさそうですがこんな時期のシャワーは絶対に勘弁です(笑)。