水無谷リベンジ

2015年10月11-12日
【エリア】
栗平川
【メンバー】わらじ新探検隊(3名)

昨年の五月、わらじ探検隊3名は、水無谷の遡行を試みたところ、巨大な土砂ダムに行く手を阻まれた。無謀にも大高巻きを試みたが、急斜面が現れて敗退。結局その時は、河原で餃子を作ったり、罠に引っかかってみたりする、のどかな一日を過ごして終わった。


そこで、今回新たに20代の期待の新人を加え、上流部から土砂ダムの全容を明らかに再び水無谷へ向かった。ただ、残念なことに、昨年のメンバー一人は都合により参加できず、今回も3人で水無谷を探検することとなった。

 

山行前夜、定番の宿泊所で一夜を過ごそうとシュラフに入った。しかし、間もなく、ケダモノの唸り声があたり一面に響き渡る。余りの凄まじさ、100デシベルを超える騒音から逃れようと車に避難する。それでも、唸り声が聞こえてくる。雨音に混じる唸り声を聞きながら、狼がいたころの大峰山脈の古の姿に思いを寄せる。

翌朝、狼避難小屋を脱出して、釈迦が岳登山口へ。ちょうど、赤井谷へキノコ狩りに入る仙人とその弟子に遭遇する。仙人に林道から水無谷へ下降するルートを詳しく教えてもらう。ふとケダモノの気配を感じたが、気のせいだろう。仙人一行の無事を祈る。

 

登山口から西に延びる林道を終点まで進む。遠くに土砂ダムが見え、懐かしく思う。

そこから、少し戻って谷に下りやすそうな尾根を下降。すぐに、尾根が急になってきたので谷を降りる。急な斜面もあったが、懸垂下降をすることなく、水が流れる支流に降りることができた。そこから、本流へ下り、ザックを置いて一休み。ここにザックを置いて、土砂ダムを確認しようと下降を始める。大滝は左岸にけもの道を見つけて、慎重に下降。一か所急な斜面で懸垂下降。

その先は、大きな難所もなく、楽しんで下っていける。明るくてなかなかいい谷。しかし、土砂ダムまで結構距離があって辿りつけるかな?と思っていたら、右岸に杣道が現れる。ありがたく使わせて頂く。

しばらくすると、観測用のカメラや機材が現れる。どうも、水量をモニターしているみたい。


さらに、下っていくとなんだか不思議な風景へ。沢沿いの木々が枯死して、荒涼とした世界。おそらくここまで水に浸かったのだろう。そして、こんな風景、他では見られないのでは。


すぐに、土砂ダムに着くだろうと思っていたが、沢が続き、なかなか土砂ダムが見えない。

浸水の被害の大きさを物語っている。

杣道をしばらく歩いて、ついに土砂ダム到着。ダム湖を排水しているためか、水量が相当減っている様子。杣道は右岸に続いているので、昨年右岸を丹念に探せば杣道から入渓できたのかも?対岸の工事は相変わらず派手に行っている様子。左岸の栗生谷への入渓は無理そう。この谷は秘境と化したか?


念願の土砂ダム全容が分かって、満足したところで上流へ戻る。

 
 

ザックを担いて上流へ。小さいながらも、なかなかのゴルジュが現れる。これを突破して、しばらく進むと小屋跡の広場が左岸に現れる。今夜はここでタープを張って幕営。よい河原がなくて、水流近くの岩の上で焚火をする羽目になったのが残念。
それでも、焼肉・焼き餃子パーティーで盛り上がる。

 

翌朝はゆっくり眠って朝寝坊。天気が素晴らしく良い。源流部は気持ちが良いところが多く、今度来たときには、ここに泊まろうと話をする。ところどころ、動物が土や朽木を掘り起こした跡が見られる。冬眠に備えたイノシシの仕業か?それとも昨夜のケダモノか?やがて、地形が開け、沢の水も枯れ、詰めに入る。急な斜面を登ると、林道に出てしまう。あれ、思ったより左に出たのかと思い、登山口へ戻るつもりで東に進みかけるが、見慣れない光景に違和感を覚える。なんと、駐車場よりも東側の林道に上がっていた。逆を向きすぐに登山口へ到着。気になっていた谷の全貌が分かって満足!次回、栗生谷探検なるか?

 
 

【投稿者: 禰庵 (ねあん)】

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