南紀 十津川・橋の谷(下部ゴルジュ)


【日程】 2011年7月18日(日帰り)
【メンバー】 シブ&コージ
【報告者】 シブ
 
 橋の谷は、十津川の右岸の支流で、二津野ダムを見下ろしながら国道168号を南下していくと、新道と旧道と分かれる所で、右手の岩壁に大きな滝が掛かっているのが目に留まります。その大滝の掛かる谷が十二滝谷で、その一つ下流に橋の谷はあります。出合は、貧相で、橋桁に名前が記されていなければ、疑ってしまいます。
 
 仕事道のある左岸側から入谷すると、いきなり連滝帯となります。しかし、谷中には導水管が伸びていて、うっとしく、溯行気分が害されます。小滝を数個こなすと、二段8mの滝が現れたので、軽く小手調べと行きますが、上部が悪くて、テラスに上がったところで、慌ててザイルを出しました。
 
 しばらく行くと、二条10mの滝。これも登れなくもなさそうでしたが、左岸の仕事道から巻きました。その上には堰堤がありました。
 
 谷はちょっと開けて明るさを感じるようになったところに、15mの滝(写真)が掛かります。両岸は壁が立ってきて、いよいよ核心部に入っていくようです。ここは左岸の仕事道からも巻けたのかもしれませんが、右岸からコージの際を行くようなルートファインディングで滝の頭へと登り出ました。
 
 
 大岩を挟んだ二条の滝、二段4mの滝を越えていくと、左岸側が大きく開けて、スラブの壁が聳えているのが、目に入ります。谷間には、ナメが続いていて、気持ちいい所だったので、ここで、一服としました。
 
 
 トユ状4mを直登すると、20mほどの比較的見栄えのする滝(右の写真)が現れます。ここは直登は厳しいので、左岸をモンキークライムし、最後は滝身に出て、頭に登り出ました。頭は、ナメとなってしばらく、続いています。
 
 
 
 
小滝を過ぎるとゴーロとなって、またもや堰堤の登場。しかし、その先で谷間は狭まって、薄暗く伸びています。
 
 2段6m滝を直登すると、その先には、両岸立ったところにCS滝5m滝が、待ち構えていました。さすがに「行き止まりか・・・」と思われましたが、しかし、近付いて見て見ると、CSの右の脇から突破できそうです。ここは、ザイルを出して、コージがリード。抜け口がちょっと悪く、奮闘的チムニーで滝の頭へと登り出ました。
 
 CSの上に立つと、薄暗い廊下の先に、キラキラと光っているものが目に入り、大きな滝が掛かっているのに気付きました。あれが、この谷最大の布引滝なのでしょう。しかし、そこに辿り着くには、まだ幾つか関門が待っているようです。
 
 凹状の4m、5mの滝は直登でこなすことができましたが、その次に立ちはだかるCS状7m滝は、厳しそうです。あまり巻きたくなかったのですが、ここは右岸から巻くことにしました。
 
 右岸の小尾根っぽい所を登って行きますが、あまり高度を上げてしまうと下降がしんどそうだったので、滝の高度くらいのところで、バンドを辿って滝の頭へとトラバースしていきました。巻いた斜面は岩屑の堆積した脆い壁になっていて、慎重に登らなければなりませんでした。
 
 小滝を簡単に登ると、とうとう布引滝の前に立ちました。谷は大きく開けて、扇状に岩肌に水を流れ落としていまます。50m以上はあるのではないでしょうか。
 
 布引滝を眺めながら、昼食としました。「ここから先、どうしよう?」と言う話になり、睡眠不足もあって、「右岸を登って仕事道に出て、さっさと下山しよう」ということになりました。しかし、この選択はミスで、右岸を登って行くと、壁が立ってきて安易に尾根に出られないことに気付き、引き返すことになりました。
 
 
 「安易に下山しろうとしたら、あかん」ということで、布引滝の前に戻ると、今度は左岸から高巻くことにしました。枝沢をしばらく登った後、カンテ状の岩場へと大滝側へトラバースしていきます。カンテをそのまま直上しても良かったのですが、さらに大滝側へと入って、ブッシュの生えた凹状を登って行きました。登っている最中、コージはスズメバチの追跡にあって、しばらく停滞して、去っていくのをじっと待っていました。
 
 布引滝の上部は段々となっていて、快適にシャワーで直登して行きますが、頭に出る直前が悪く、微妙なトラバースで頭へと登り出ました。
 
 その上には5mの滝があり、右岸のバンドから頭へと出ます。息つく間もなくその上には5mのスラブ状の滝が待ち構えて、ここもコージのリードで直登しました。しかし、次の8mほどの滝は、その上に続く滝と一緒に右岸か巻きました。河原と少し歩くと、二段15mを左岸からまいてしまうと、谷は河原となって、橋が掛かっているのが見えました。
 
 ゴルジュはここで終わりで、後は橋の掛かる仕事道を辿っていくと、国道に降り立つことができました。下山時、尾根から見下ろした二津野ダムの光景が、ひと時の癒しを与えてくれました。
 
 

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