
2025年9月21日(日)~22日(月)
メンバー(敬称略) シブ&コージ、juku、KM2(記)
<序>
夏の遠征第三弾。今回もシブ&コージさんの山旅に参戦させて頂けることとなった。
当初憧れの利根川本流が目的地であったが、水不足でボートが出せないという想定外の理由で断念。
黒部なども候補に上がったが秋雨前線の動きに翻弄され、最終、四国が行き先となった。
ギリギリまで行き先を検討下さったシブ&コージさんには感謝しかない。
<1日目>
兵庫の集合場所で集合後、一途、四国へ。
県道142号線を諏訪神社まで進むつもりが1キロほど前で路肩決壊のため通行止め。復旧はまだまだかかりそうな気配。

左岸の林道を巡る。高瀑谷を見送り、老之川に入り、400あたりで入渓。
水は薄濁りで水量は多い。前夜の大雨の影響が残っている模様。
初芽成谷までの区間も10メートルクラスの滝があるが、巻いたり岩の間を潜ったりしつつ進む。

初芽成谷出合は初芽成谷側(左)は暗いゴルジュの奥に登れない滝が光っており、雪瀑谷側は2条の滝が落ちている、イカつい渓相。

雪瀑谷の2条の滝は右から直登、岩の下をくぐるようにしてクリアできた。

その後は10m程度の直瀑、ネジれた滝から始まる連瀑帯が650あたりまで連続し、全く中弛みの無い渓相が続く。
標高650あたりで滝は落ち着くものの、そこからは長い長いゴーロ滝が続く。
ドバドバのCS滝を巻いたりよじ登ったりしてようやく超えると、次のドバドバのCS滝が見えている。。。というのを10回程度繰り返すこととなる。
標高1000付近でゴーロ滝の締めくくりとしてアイキャッチで使った滝が出てくる。
本来ナメが美しい滝のはずだが、水量が多く、結構大変で、コージさんに突破してもらい、ロープを垂らしてもらった。

特徴的な2条に深く抉れた直瀑を左岸から巻くと、雪瀑の滝。

正統派で美しい佇まいだが、水はドバドバ。
初見、左岸から大きく巻くのかと思いきや、コージさんの素晴らしいルーファイで右岸滝横ルンゼから巻き、最短で巻くことができた。
雪瀑を越えると傾斜が少し落ち着き、1100付近で二股となる。ここでKM2がミスリードし、漫然と美しい斜瀑が落ちている左股に入ってしまったが、右股が正解。
ただ、左股の枝沢は今回唯一ナメが見られたゾーンだったので、それはそれでよかったのかもしれない。

戻って、右股に入り直し、緩やかになったゴーロ帯をさらに上がっていくと、標高1200付近で廃林道の横断点に到達。水も一度伏流するようであったので、ここで泊とした。
今回は難易度としてはそれほど高すぎない沢になったこともあり、みな、缶ビールを冷やし、宴会スタート。

ええ感じに寝転がれる排水管の残骸もあり、焚火も燃え盛り、最高の夜となった、、、、と締めくくりたいところであったが、夜半からまさかの断続的な雨。

タープを雨仕様に張っていなかったため、足先の濡れそぼる少し冷たい夜となった。
<2日目>
石鎚山付近まで詰めあがり、初芽成谷を下降する、厳しい行程を予定していた日。
廃林道付近の伏流は溯行開始10分程度で水が戻った。
ゴーロ帯が続き、朝から体力を消耗する。
標高1300付近から、滝が出始める。

この辺りから滝が連続するようになるが、基本、直登を許してもらえず、コージさんの的確なルーファイで巻き続ける。

標高1450付近の二股では右股の本流を選択。
標高1500付近で特徴的なハング滝を右岸大巻で越えると、傾斜の強いナメ滝。

ここは途中までは簡単だが、だんだんとホールドがなくなってしまい、最後はコージさんのロープにしがみついて登るありさまとなった。
この滝の上で沢は荒れた感じとなり、越えづらそうな滝も奥に見えていたことから右岸の尾根に乗る。
右岸尾根は最初はヤブも笹薮程度で問題なかったが、だんだんと藪は濃さを増し、シャクナゲやハイマツ交じりの濃いヤブとなる。
稜線付近の標高1800付近では岸壁が立ちはだかるようになり、巻ききれず、直登するパートもあったが、コージさんの安定のリードでクリア。

雪瀑谷はほとんどのエリアで電波が入る不思議な沢だったのでこの辺りで一度翌日の天気予報を確認したところ、明け方から夕方にかけて雨との予報。
雨の中のビバークはみな気が進まず、初芽成谷下降は断念し、1日行程を短縮し、尾根を下降することと決まった。
2度目に立ちはだかった岸壁はシブさんの素晴らしいルーファイでロープを出さずにクリアし、ついに笹原の稜線にたどり着く。

石鎚山の頂上は岩稜上に巨大な人工物がのっかっており、他では見られない不思議な景観となっていた。
下山は登山道に決まったので、頂上では全員ビール購入。観光地のようなにぎわいの中、恒例の乾杯となった。

下山は北にのびる長い長い登山道。ただ、よく踏まれた足にやさしい登山道であり、河口まで淡々と下山し、県道を歩いて駐車地に到着した。
下山後はロープウェイ駅前の渋い石鎚山温泉で汗と疲れを洗い流し、西条市の定食屋、はしもとさんで欲望のままに定食を食べて帰阪した。


今回も実りある山行だった。
わらじの他の仲間が言っていたが、沢の力を一番伸ばすのは強い沢屋と一緒に遡行することだという。
貴重な機会をくださったシブ&コージさん、jukuさんに感謝したい。
<行程>
21日
7:00諏訪神社1km手前駐車地~7:38入渓~8:33初芽成谷出合~13:21雪瀑~14:15泊地
22日
6:40泊地~9:15斜瀑を越えて右岸尾根へ~10:14岩壁~11:40稜線~12:15石鎚山頂上~13:00頂上発~15:00ロープウェイ駅~17:00今宮登山口~17:30駐車地
<補記>
シブさんから今回のメンバーに送られた感想は、情景がよくわかる内容であったため、山行の大事な記録として残しておきたい。
(以下原文一部編集の上、引用)
初日から雨は止んだようものの、どんより曇り空。沢は笹濁りの増水。2人なら言い訳して止めてたと思いますが、仲間がいると心が強くなるものですね。絶対行くぞ!と気持ちが強くなれました。
渡渉も簡単でなく、平水なら登れた滝も登れずでしたが、高巻いたり別の選択肢を模索しながら溯行が楽しめる程度でした。途中から日が差しキラキラ光る谷の美しさも感じとることが、できました。
幕営地では楽しい焚火。しかし、シュラフに入るころから予報にはない雨が降り出し。
私一人は野天で寝てましたが、慌てて、タープの中に避難。端で寝ていた小松さんはシュラフを濡らすことになってしまいました。全然、雨が降る想定でなかったんで足を折り曲げてないと足先を濡らすことになり、決して快適ではなかったですが、横になり明日の溯行に備えたと思います。
翌日は河原を抜けると連瀑とゴルジュ。一筋縄にはいかない所があり、いちいち楽しめました。二又では長いナメのある左俣でなく、本谷筋である右俣を選択。嫌らしいナメに想定外のハング滝あり、詰めの岩稜は藪漕ぎに加え、岩稜登攀のバリエーションが楽しめて、こちらの方が良かったんではないかと思ってます。3日目の天気が思わしくなくて初芽成谷の下降ができなかったのは、唯一残念でした。
残念ながら利根川本谷は今年は果たせずでしたが、来年こそ、皆さんとリベンジ果たしましょう!
今年は個人的には嫌が上にも、シーズン終盤になっても足が思うように動かず、老化を実感した一年でした。運転やボッカを分担してくださり本当に有難うございました!
どれだけ、こんな山行を続けるか分かりませんが自己切磋は怠らずに頑張って行きたいと思います。
(引用 以上)

さっそくレポ有難うござます。
来年こそは利根川本谷行きましょう!
それまで老体にムチ打って頑張ります😂
今回もレポ有り難うごさまいます。
プチ増水してましたが、それはそれで楽しめ充実したと思っています。
来年は利根川行きたいですね。