ノウナシ谷



ノウナシ谷

名前の由来はいくら調べても見つからなかった。
 
6月12日
林道の途中で前夜泊し、朝7時半ごろ、林道終点に向かって出発。林道終点に着くと、釣屋さんと思われる車が5台ほど停まっていた。すでにみなさん出発されているもよう。ボチボチと用意をして、8時頃出発。林道終点からすぐ河原に降りられるようになっていたので、そこから神童子谷に下りて遡行開始。右手に歩道があったが、ひしゃげたりして危険そうなので河原を歩く。
水は清く、緑豊かで、木漏れ日が輝いて、なんて綺麗な沢なんでしょう!!
浮世の憂さが消えてゆく~!
ハイテンションで水を蹴散らしながら進むこと40分、赤鍋の滝が登場。

 
 
 
確かにちょっと赤っぽい岩の滑滝と釜。壁はかなりツルツルで、赤鍋に落ちたくないよ~と右壁をソロソロとへつる。残されたハーケンやロープがあったので助かった。写真は落ち口からのもの。
 
 
 
 
この後は淵やらへっついさんやらを楽しみながら遡行。12時頃、犬取谷とノウナシ谷の出会いに到着。ここは右手から巻いて、ノウナシ谷へ。ノウナシ谷はユルユルとした滑やちょっとした小滝を楽しみながら遡行。この沢は気持ちがいいな~と楽しい遡行気分を味わっていたのだが・・・・。13時頃、ノウナシの滝がドドーンと現れる。

 
 
 
 
 
 
 
 
高くて大きな滝を前に、浮かれていた気持ちがギュンギュンと引き締まっていく。結局、滝の右側後方の斜面から巻いたが、急斜面と突出した岩壁と、もろい岩とで結構恐ろしい巻き道だった。もっと後ろから岩盤地帯を避けて登った方が、時間はかかったが安全だったのかも・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんとか谷に戻って、しばらくボケボケと歩いていると、またもや大きな滝、千手滝が現れた。ここは、滝のすぐ横にあるルンゼから巻くことに。
 

一見登りやすそうに見えたけど、ルンゼの先端に岩が挟まっていて、これを超えるのに難儀する。結局、Y君が空身で登って、私はロープを出してもらって登ることにした。まずはY君のザックを上げようとするも、岩にひっかっかって上がらない。結局、中身を小分けにして、3回に分けてやっと上げた。ザックに続いて自分も登ると、ルンゼの先端をふさいでいた岩を上がってビックリ!この石の上に、落ちる順番を待っているかのように大量の石が重なっていた。結局このルンゼを通過するのに、1hrもかかった。写真はルンゼの上から撮ったもの。
 
ルンゼを詰め上がると、左手にしっかりした棚があったので、ここを進む。しばらくして沢が見えたので懸垂でおりると、馬頭滝の落口付近に出た。
すぐ目の前に、大きな丸い岩が2つお団子のように重なった滝があり、これが地蔵滝ならいいのに、などと言いながら先に進む。17時ごろ、ようやく地蔵滝に到着。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これまた立派な滝。滝のすぐ下手にテン場によさそうな広場をみつけ、ここを本日のお宿とする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6月13日
天気予報では本日は雨ということだったので、5時半に起きて出発準備。空は黒く、風も強い。気合いを入れて濡れた靴下に足を突っ込み、6時半に出発。雨がポチポチ降っている。地蔵滝は右の斜面にしっかりした踏跡あって、すぐ巻けた。すぐにハリンド谷との出合いに到着。ここで、岩に書かれた不思議なメッセージを発見。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「アマゴ 放流 S53」と読める。まさかW田さん???
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次の二股は左に入り、大きな岩の重なる急な沢を登る。この先の2股は右へ右へと上る。徐々に沢は小さくなって、笹が現れはじめ、尾根が近いことを示している。
 
この時、私が何よりも恐れていたのは「女人結界」を超えてしまうことだった。尾根に詰め上がるまでもなく、登山道を発見。これを南へ進む。(鳥居とか出てきたらどうしよう・・・)結界を超えていないか、かなり気になる。しばらくすると「脇ノ宿跡」の標識が!(あ~よかった。結界こえてなくて。) 
 
この後は国見岳をめざして、奥駆け道を進む。途中、どこからともなくホラ貝を吹く音が!霧がたちこめ、強風吹きすさぶ山奥に響くホラ貝・・・なんとも幽玄・・・。修験者の方たちに会えるかもしれないと、ショートカットコースではなく大普賢岳のピークを通るコースへ進む。ピークに着くと、いらっしゃいました!五人ほどの修験者さん達。白装束に足袋、鈴掛といういでたち、そしてぐるぐると回りながらお経を唱えている様子になんだか神聖なものを感じ、そそくさと下山。この後は、分岐点となる国見岳を目指して歩く。
 
9時半ごろ、国見岳に到着。      国見岳の看板。矢印の上にうっすら国見の文字が。

尾根に向かう踏跡があったのでこれを進む。ゴールまであと小1時間かと思われたが、甘かった。
尾根筋を歩いて南側の凸部に進むと、切り立った崖の上に出てしまい、先に進めなくなった。これはルートを誤ったのかと来た道を引き返し、別の尾根を歩く。しかし、こちらもハズレのよう。濃霧と強風に不安が煽られて、もしかして迷ってる?と焦りが出てくる。
この凸部の周辺をグルグルと歩きまわること約2時間、ようやく正しい方向に進めそうな斜面を発見。ふと見ると、すぐ左横に最初に足止めを食らった崖が。崖の上からでは、霧と生い茂った石楠花とで、この斜面が見えなかった・・・。あぁ、ちょっと怖かった。
 
しばらく行くと、植林地に出て、仕事道らしき踏み跡を通って下山。途中で道を見失い、適当に尾根を下りてゆくと、オソゴヤ谷から二つ北にある沢に出た。この沢を23分ほど下ると橋がかかっており、右手の斜面を登って林道に到着。1315分。林道を15分ほど歩くと車に到着。
 
着替えてお菓子を食べまくって、ようやく人心地がつきました。はぁ~お疲れさまでしたぁ。
 
 

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