新宮川水系前鬼川不動七重の滝

20240728

メンバー:Redeyeさん、OKAJIさん、ナンちゃん（私）

記:ナンちゃん

7月度集会で急遽参加させて頂くことになった、不動七重の滝登攀。昨年度計画が流れたことも知っており、また普段から登攀に情熱を傾けているお二人の邪魔になってしまうこと、自身の実力不足から正直緊張して土曜日あんまり眠れなかった。

結果的にかなりご迷惑をおかけしながらも、強力に引っ張っていって頂き改めて凄さを知る。そんな1日の記録です。

朝一、展望台から望む。F5の真ん中が見える水量。天気はピーカン。コンディションは期待大。

F1 OKAJIさんリード。滑りが酷いため、沢靴のまま進むことに。リードは簡単に下部を通過し、上部もクリア。私は酷い滑りで下部で落ちる。こんな事でこの先行けるのか不安やら情けないやら。踏めている感覚がまるでない。気づけばF1通過時点で2時間ほど経っていた。

F2の釜。美しい。F1落ち口を渡渉なのだが、落ちたらF1そのまま落ちていく。おそらく助かることはない。緊張の渡渉。

F2　私リード。階段状。この滝の中で最も簡単なピッチ。リード振っていただいた事に感謝しつつ登る。ちょこっとランナウトする。

F3,F4 Redeyeさんリード。抜けてF5の釜へ。

本日のメインF5 迫力が凄い。ここから左岸リッジを巻き上がり、登山道を経て中段テラスへ。

テラスへ巻き　redeyeさんリード

F5のテラス。ここからクライミングシューズに履き替える。

F5 1ピッチ目　Redeyeさんリード

轟音の滝の中で姿を追う。滝の中でもとんでもなく冷静に登られていく。ハーケン、カム、プロテクションを決めながら。登攀ラインを必死に覚えるフォローの私。

Redeyeさんのルートを見ているから冷静でいられた。リードする精神力たるや…

F5 2ピッチ目　Redeyeさんリード

核心ピッチ。クラックに入る付近からフリークライミングのよう。クラック付近から残置やリングボルトが目立つ。しかし、それらを使わずにNPで進む。クリーンクライミング。

私はレイバックで強引に抜けましたが、Redeyeさんはジャミングされたそう。クライミングの実力、経験、幅、全てが勉強になる。

F5 3ピッチ目　OKAJIさん

事前にRedeyeさんがOKAJIさんなら余裕のスラブと仰ってましたが、その通り余裕で抜けていく。出だしが悪く高度感のあるピッチでしたが、最上部は快適スラブでF5落ち口へ。

F6の釜　美しい。ここから４時間に及ぶ高巻きが始まる。リードはRedeyeさん。途中で日没、ヘッデン高巻き登攀となる。

フォローで高巻き途中に苔付き垂壁が現れる。3m位右上のクラックに何故かカムが決まっている。F6の巻きから沢靴（全員フェルト）になっていて、全く足がなかったのにクラックに間違いなくカムが決まっていた。どうやって登ったのか全くわからなかった。

F6巻きが終わりハンガーボルトに出てそこからF7高巻きへ。

F7の高巻き終わりの方だと思うが、トラバースしていくと、足が見当たらないスラブへ。全く踏めるところがない。ゴボウ抜きで強引にすすむ。一体どうやって進んだのか…後から聞いたが、私抜けられないのではと思われていたらしい。OKAJIさんも今までの巻きで1番難しかったとの感想。リードに大感謝。

そこから林道まで進むのだが、この時点で周りは真っ暗闇となっていた。漆黒の前鬼沢を1時間ほどドンピシャなRedeyeさんの先導、OKAJIさんの励ましやフォローの中を進むと林道のガードレールにぶち当たる。その瞬間とても安心しました。

再三フォローされた身ながら、楽しかった。F5 2ピッチ目の終了点から見た景色が忘れられない。物凄い水量を真横に感じながら澄み渡った青い空。忘れられない景色でした。

ただ、反省はつきません。ヘッデンなってしまったのは私の実力不足が大いに影響している。お荷物になってしまった。2人だけなら絶対に日没迎えずに終了していたと確信できる。スピード＝安全。何かを得たければ何かを耐えたり、諦めたりするのは常識。もっとまともになりたいと思いました。

楽しさも反省も含めてこんな贅沢な世界に連れて行って下さってありがとうございます。