7月14日(日)15日(月) 曇り時々晴れ時々雨
メンバー 名塩村民さん、ツトムクルーズ
海の日の連休、名塩村民さんと泊まりの沢に行く予定だったが、天候が思わしくなく行き先も決まり兼ねていた。南のエリアは芳しくなくて、あるのは経度を上げた北の方が候補に挙がっていた。不安定な天候で、土曜日は中止。もうこの週末は無理かな?と思っていたが、「とりあえず行くだけ行きましょうか?」と名塩村民が誘ってくれた。土曜の夜に名神の多賀サービスエリアで合流する。この時点でまだ雨はシトシトと降っていた。取り敢えず、明日の為に睡眠を貪る。
早朝、起きるとまだ雨は降り続いている。天気図を確認して「行けるでしょ」と半信半疑ながら本日の遡行予定の沢を目指す事となる。目的地、市ノ瀬を目指す途中、登山報告を出すために白峰温泉の近くで車を止めると、K会の方とお会いする。まるで近所で出会った様に名塩村民さんと会話している。恐るべし沢屋の世界!。ここ石川県ですよ?今日は釣りをされるとのことで、挨拶を交わし先に立ちました。
市ノ瀬到着。三連休とあって白山に登る人達かな?駐車場はマンチクリンでした。メジャー山域初体験のツトムクルーズには未知の世界です。遡行準備完了後、我々二人で沢を目指します。あれだけ居たたくさんの登山客も誰一人いません。「ワイルドやんけー」グッと気が引き締まります。
入渓は堰堤近くから降りました。水量は多めだったと思いますが、経験値ゼロのアッシにはあんまり分からず、沢の水もあまり冷たく感じませんでした。
午前中は、ゴーロ系ながら癒し渓で快適に登って行きます。チョビと泳ぎあり、写真を撮る時は映画のジョントラボルタのポーズを決め込んだりとまだ余裕です。
午後に入り、少し単調だな?この沢もアッシには楽勝だなーなんて思っていた矢先、一発目の滝が登場しました。ここは大きく巻いて行きます。懸垂下降2ピッチで沢に戻りました。(ロープワークもたつきました。)
その後もまたゴーロ癒し渓に戻り、ショルダーでクリアしたり、刺激も少し欲しいなーなんて思ったり、今日のテン場はどこかなーなどと思っていた時に直登出来ない滝が出て来ました。名塩村民さん先行で巻いて行きますが、雨で濡れて滑りやすく手掛かりも少なく苦戦しています。なんとか、支点をとりツトムクルーズも続きます。ビレイ地点で入れ替わる余裕がなく「ツルベで抜けろ」と名塩村民さん。経験値の少ないアッシはあまり意味を把握しないままに名塩村民さんを追い越し登ります。しばらくは一生懸命なもので必死に登りますがやがてスタック。支点を取るスリングも無いことに気がつきます。ハンマーもアタッチメントが外れたものでザックに仕舞ってる始末。ブルブルと震えながら下を見ると、無茶苦茶怖い。名塩村民さんを逆に追い越して落ちて行くアッシを想像してしまいました。「なんとか、支点を取れるところまで頑張ってくれ!」名塩村民さん。もたもたしていると消耗するし、時間も無くなります。後、10センチ位で横に生えている木に届きそうですが怖い。こんな時に滅多に使わないハンマーがあったらとつくづく思いました。どうやって届いたのかよくは覚えていませんが、なんとか木を掴むことができ、安全地帯まで抜けることが出来ました。ふただび二人になれたことが無茶苦茶嬉しいかったです。暗くなった中、必死でとラバーズし、なんとか沢に戻ることが出来ました。
泊まれる場所を確保すべく少し遡行すると三又になっており全てが滝、暗くて進む事も出来ず絶望感マックス。20時頃、一番安全そうな支沢の滝の落ち口でビバーグが決定しました。タープを張って二人ごろ寝です。なんとか暖かいものを作り、酒も少し呑んで明日の為に睡眠に入りました。就寝時、最初は滝の方にお互い足を向けて寝ていたのですが、アッシの足になんだか当たるものが?。そうなんです、名塩村民さんが90度ターン、アッシの足を枕に。ヒェ〜。蹴らないように、ゆっくりと足を外しました。滝の音がうるさかったけど雨が降らなかったのが唯一の救い、少しは眠れたかな?
朝、5時頃に起床。雨は降っていない。取り敢えず、朝食を済ませ(クノールのコンソメスープが美味かった)撤収の準備をする。その前に、濡れた登山着に着替える。これ結構、辛い(涙)。さて、本日の行動開始。いきなりの高巻き。(寝起きにはツライっす)本当は本流側の右岸を巻きたいのですが取り付ける様なところが見当たらない。名塩村民さんの判断で左岸から巻くことに。
濡れた地面は滑るしここらの木は水平にはえてるしでなかなか上手く進めません。おまけにガスも出ていて見通しも凄く悪いです。名塩村民さんルートファインディング大変だったと思います。やっとこさで下降出来そうなポイントをみつけて懸垂下降で支沢に降りる事が出来ました。取り敢えず、3つの滝を下降して本流との出会いを目指します。なんとか出会いにたどり着き右折して本流を見てみると[ガーン]直登不能の滝出現です。巻き上がれそうな地点も無く、先程、懸垂下降して降りた滝を元のポイントまで登り返します。「無茶苦茶辛かったー」今度は支沢から本流向けての高巻き開始です。なんか、早朝の高巻きのデジャブを見てる見たい?ヘロヘロになりながもやっとこさで下降出来る場所を見つけて懸垂下降で本流の蓮爆地帯を抜けた場所に降りる事が出来ました。(ドンピシャでしたね。名塩村民さん)朝の行動開始から6時間半、上げた高度は約100m 。本当にヘタリ込みそうでした。
ここからは時間との戦いです。今日中に下山出来るのか疑心暗鬼にも襲われるます。もう大きな滝は絶対に見たくありませんでした。稜線まで約700m。滝は出でくるものの何とかこなして行けるサイズだったので助かりました。
高度2000m付近手前。さっきから沢の水が冷たい。気温も下がり気味。名塩村民さん「多分、雪溪があるぞ」とその通りでした。こんな経験はツトムクルーズにはありません。何箇所か出て来たのですが、的確なアドバイスの下、先行の名塩村民さんの足跡を辿り、滑り落ちたりせずに何とかクリアすることが出来ました。(いやー沢の水で手が凍って千切れそうになったわ)
この上は森林限界を超えたのか、ザレた岩場ばかりとなりました。ただ稜線近く以外はV字になったところが多く、個性的だなーと思いました。(冷静に書いてますが、疲れはマックスです。ここまで何度も名塩村民の足を引っ張って止まっています。ごめんなさい)最後の最後は繰り返して言ってくれる、稜線まであと何メートルの声のもと、ハイマツにつかまりながら、やっとこさで稜線に詰め上がりました。もう、夕方17時前のことです。見下げた景色は美しく、アッシは涙を流していたかもわかりません。
下山は想像にお任せします。壊れたロボット化したツトムクルーズ。何度も名塩村民さんを待たせながら、ザイルも持って貰い、そぼ降る雨の中、ヘッデン点灯で登山口に着いたのは21時前のことでした。(らいくボロボロの濡れゾ雑巾でした?)おわり!
ツトムクルーズさん、投稿あざまーす。大変さが伝わってきますね。思い出したくない?w
今日、よーやく筋肉痛が八割おさまりました。
無理さしてもーて すみませんでした。
些末な事ですので無視してもろても問題ありませんが一応、気づいた点を以下に。ワタイの記憶違いもあるかも。
1.キンゴさんと遭ったのは、石川県、白峰温泉です。
2.「ダブル懸垂」…意味は分かりますが「懸垂2ピッチ」のほうが山屋さんたちに誤解が生じ難いです。
3.ツルベで登った後の谷への復帰…トラバースはしたけど、ココでは懸垂せずに流れに戻ったかと。
4.荷揚げ…日曜日はテン場の手前で荷揚げしましたけど、月曜はシた憶えがありません。
ほいじゃ、ま、お盆は、お互い若者に引っ張ってもろて大名遡行ってことで!
名塩村民さん、今回は本当にありがとうございました。
次回は、足を引っ張らない様に努力しておきます。
懲りずに宜しくお願いします。
ご指摘の場所、修正出来る範囲で直しておきました。
(オッサンのショボい記憶なものでご勘弁を)
2日目、モバイルのバッテリー不足により、私の写真ばかりになってしまい申し訳ありません。
代わりを発注し本日届きました。
次回は大丈夫だと思っております。
それでは、お盆の山行楽しみにしておきまーす!
ワタイの写真は無くて問題ないっすよーw
いい山行されまさしたね。
草付きスラブに雪渓、そして猛烈な藪と、雪
国の谷は、紀伊半島の谷からは想像できない難しさがあります。
ボロボロ、ドロドロになりながらも、限界の域を超え、
更にその先を覗いた今回の山行こそが、沢登りに真髄に触れたものだと思います。
リードしてくれたカマちゃんも立派、それについて来たツトムクルーズさんも
立派です。
シブさん、チョビっとご無沙汰しています。
ほんとに今回は貴重な体験をさせて頂きました。
体力的にも技術的にも未熟で、かなり足を引っ張って迷惑かけてしまったんですけど。
改善出来るところは直して、次回もまた参加したいです。
ほんとに沢登りは楽しいっす!
>シブさん、チョビっとご無沙汰しています。
いえいえ、遠慮なしに自分の行きたい谷に行ってくれればいいのです!
限界というのは、人ぞれそれ何でしょうが、ズタボロになった先に、
初めて生き物としての本能が呼び起こされるような体験はあります。
その時は必死のパッチで、もう二度とこんな目には・・とは思うんですがね。
沢登りの深みに嵌りましたね!