大峰白川又川岩屋谷 2022.8.14-15(後編)

「う〜わっ…」

両側から迫る岩壁から覗き見えるその先には大岩を携えた直瀑が轟音を立てて待ち構えていた。時刻は17時45分。予定では焚火を囲んで飯盒でご飯を炊き、それぞれが持ち寄ったオカズとお酒に舌鼓を打っているであろう時刻。普段お酒を全く飲まない私でさえ、UL化されたテン泊装備に忍ばせた梅酒の小缶を開けて乾杯するのを楽しみにしていたのだ。

まだ暗さは感じないが明らかにタイムアウトのカウントダウンは始まっていた。…と書いては見たものの、実際私もたぶんゆりちゃんも?実はそんなに緊迫感はなかったと思う。不安なくリーダー達に頼りきっていたからだろう。ただ雨は小雨になってはいたものの、滝の飛沫を浴びて体の冷えを感じ始めたので慌ててカッパは着込んだ。

一方リーダーガスレーザーさん、ツトムクルーズさんは、ヤバいな…とか思ってたのだろうか。

進撃の巨人に見下ろされてるみたい。

トポでは15メートル直登出来るが、自信が無ければ高巻く事とあるけれど…自信がある人がここを登攀する姿を見てみたい!無理やろ!と思うような直瀑。そもそもこれは15メートル以上あるよな⁈どういうことや〜⁈カズレーザーリーダー、ツトムクルーズさん2人で色々と策を練ってくれている。

大岩の左手の斜面を左上に抜けようと、カズレーザーさんのリード。見るからにヌメヌメで悪く、容易に進ませてはくれない。後続の私たちが登れるようにと足場も作ってくれながら、リーダーは冷静にザイルの道筋を付けてくれた。

ツトムクルーズさんは、ゆりちゃんと私にヘッデンを用意と指示を出してくれた。慌ててザックをゴソゴソ。そして、万が一の時のためのビバーク地があるか見といてと。

ゆりちゃんと少しだけ下流に戻り、ここしかないなぁと話した場所は高い壁に囲まれた、正に河原しかなかった。こんなところでは、たぶん怖くて一睡もできんやろうなぁ…。望みはリーダーが向かっている先に下から見たらテラスになっていそうなところがあり、ゆりちゃんとあそこがテン場になればいいねと話してた。

(この場面での反省ポイント、水を補給するのを忘れた!もう気が利かないったら!)

テラスが見えない位置まで、4人が無事に登れた。ああ…神様仏様、我々に寝床を与えてくださいまし!ツトムクルーズさんが、先陣をきって最後の斜壁を攀じる。……ドサッ!落ちた⁈大丈夫ですか⁈リーダーも焦る!

「大丈夫やでえ〜ジャンプしただけや!」冷汗〜順番に壁を越えていくと、なんとそこにはドロドロヌメヌメやけど平らなそこそこの広さのテラスが!もう谷の中に見つけたその10畳程のスペースが、今日の私たちの寝床!最高

テントをニ張は無理があり、結局ツトムクルーズさんの2人用テントに4人で…。取り敢えず何が食べよ!必要なものだけ持って入り、小宴会の始まり〜この空間が想像以上に暖かくて快適でした。4人でちんまり寄り添いながら、プッシュ〜と缶をあけ、ベーコンにハムに、焼いてない舌にピリピリくる味醂干しに。私は食べてないけど😝

テントの外は、脱ぎ捨てた靴に服にメットが散乱。いいのいいの〜明るくなってから片付けよう。

なんだかんだと楽しい話は尽きずなので時間を決めて22時には消灯…4人でマッチ僕になって就寝。この頃には雨も止んでいたけれど、15メートル滝の轟音だけが谷に響いていた。うつらうつらと、私はまあまあ眠れた気がするのだが。みんなは眠れたのだろうか…。

明けない夜はない。いいお天気の兆し。

昨日残したまんまのザイルをツトムクルーズさんが回収、カズレーザーさんのリードでいざ雌滝に向けて出発!

安全第一、随所でザイルを出してくれたリーダーありがとう。

ちょっと待ってて〜とルートの確認に走ってくれるリーダー

ここもショルダー
振り返って

雌滝までのルートは、記録で見ていたものとは違うように感じた。後でわかったのだが15メートル滝は左の私たちが登った側の水量が以前はうんと多くて、CSの直瀑の水流は少なかったよう。ということは当然上の方で流れが大きく変わる崩落とか、そういったものがあったのだろうと思う。リーダー曰く、沢あるあるなのだそう。自然だもん、そりゃそうだよなぁ…とシミジミ思う。

着きました!雌谷✨✨✨ベールを纏った花嫁さんのように美しい🥹

来てよかったでしょ!とリーダー。もちろんですとも!昨日の暗雲立ち込めた空が嘘のようにお日様も輝いています。ほんとうに連れて来てくれてありがとう✨

雌滝を堪能した後は、大きく高巻きで雄滝へ。

我らがリーダー

雄滝を仰ぎ見ながら、ブランチ…卵キムチ入りラーメン。

ここを我らがシブ&コージが登攀したんやなぁ…すごいなぁと、ラーメンを啜りながら感慨に耽る。

さあ、残るは稜線目指します。最後まで怪我のないようにきを抜かないで行きましょう!

稜線に出た時の、この解放感もたまらない。はるか向こうにはとんがり帽子の大日岳。これだけはわかるようになりました。

お水を1.5リットル確保して、ガチャ類を入れたらザックが行きより重くなり、ほんと肩と首が痛くてもげるかと思ったけれど、何とかみんなに着いていけました!

無事に帰って来ました!🙌

リーダーカズレーザーさん!ツトムクルーズさん、ゆりちゃん、本当にほんとうにありがとう✨

初ビバークが悲惨でなく楽しい想い出になってよかったです!笑

✨またどうぞよろしくお願いいたします✨

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2件のコメント

  1. コージさんありがとうございます。陽の光と滝のコラボは美しくて、いつまでも見ていたかったです。テントはみんなそれぞれ持って行ってたのですが、結局一つ屋根の下になりました😅

  2. お疲れさまでした、でも楽しかったのが伝わってきました。みんなで、寄せ合って寝るのもありありですよね。
    二日目、天気が良く輝いてる雌滝の写真を見せていただき、目の保養になりました!