地形図でそれほどには見えなくても、尾根への詰めで小さいが難しい滝があることがある。両側も急斜面で巻き上がる手がかりがない。一つ目は、何とか小さい取っ掛かりがあったので思い切って(12kg背負ったまま)直登、せいぜい3mくらいなのだが、一人の場合落ちたらゲームオーバー。高まる心音を深呼吸で沈めながら、ゆっくり登り切った。3月の岩トレ入門少し役立ったか(2日目、三重嶽への詰め)
今回の全体行程 5/22-23 高島石田川ダム上流部 22日朝Gに駐車し自転車で林道をSへ
河内谷(癒し渓)は竿をふりつつ山菜探し、二日目に支沢を遡行し三重嶽、登山道にて下山
(↓2日目詰め実況の続き)
とその上にもう一つ、倒木が滑り台のようにかかっているのが唯一の弱点になっている滝、これも約3m。勢いでこれも行っちゃいそうになったが、つかみどころのない丸太はさっきの滝より寧ろリスクは高い、で横を見ると草をつかみながら斜め後ろなら上がっていけそうな巻き。
それでこれはこっちに決めてゆっくり後方斜めに・・・巻くというよりその支尾根に登ってしまおうと(上が以前奥美濃で遭ったみたいな進めない木の藪だったりしないと祈りつつ)。チェーンスパイク装着、とにかく早く上がりたい一心で・・安全圏まで上がり切った。
と、次の瞬間重大なミスに気が付く・・水汲み忘れ!残りは腰のペットに半分で、ザック内のポリタンクには殆どなし。これからまた結構な斜度の支尾根を藪漕ぎ、登山道に出ても普通に行けて4~5時間(真夏でなくてもぜんぜん足りないし、水がないと行動に焦りが出るのが一番のリスク)。
今上がったとこ戻るのは無理、怖い。そうか、いったん上がってから再度沢に降りれば良い、「慌てるなー」と何度か声に出しながら、支尾根を藪漕ぎ(低木も多いが何とか進める)・・やがて右下にさっきの沢の上部らしき、ガレの斜面だが、丁度滑ったらずり落ちていきそうな角度、その下方に水!(後で近付いて分かったが、地下水の湧出)。しかしのそのまた下方は結構な滝状・・蟻地獄の底に湧き水&滝があるイメージ・・でもそこに降りて水を取ってくるしかない。
そのガレの沢に向けて偶々1本だけ突き出た木を発見、これに12kgのザックを(そおっと)腰用バックルで確保、中から(そおっと)ポリタンクと携帯用ミニリュックを取り出して入れて背負った。
↑詰めのガレ沢に突き出た木にザックを確保して水汲みに戻る・・ 写真で見ると大した斜面に見えないけど・・
巻き上がりの時から足にはチェーンスパイク履いているが、それでも殆ど背中で這うようにして下降、恐る恐る湧き水に近付いて行った。その下の滝は上部ですぐ横に曲がりこんでいてよく見えない(滑り落ちたらどうなるかわからない)
斜面に寝そべったまま左手で草をつかみつつ、まず右手で腰ペットを慎重に取り出して飲み干した。続いて湧き水を汲んでまた飲み、最後にいっぱいにして慎重に腰に収めた。
次にポリタンクも同様にして何とか8分目まで満たし(無理して落としたら終わりなので、欲を出さずにそのくらいで)ミニリュックにしまってしょって一息つく。そして「落ち着けー」と、ヤッホーみたいに谷底に向かって・・大きな声は出ない笑
今度は腹ばいで元来たところへ(滑っても大の字で寝てしまえば摩擦でずり落ちはしないことまず確認)木枝のザックまで何とか戻ってきた。
————以上、今回の最難所でした(二日目のAM)———————————-
今回一日目は癒し渓の河内谷(石田川ダム上流、横にずっと林道も並走)で山菜探し&竿ふり。二日目に沢から三重嶽山頂を目指しました(魚釣れそうにないので目的切り替え、二日目朝にそう決めて)
一日目河内谷
毛ばりが戻ってきてしまうほど風が強く、魚も全然見えず(いないのかも)、釣りはほぼあきらめつつ山菜探し。実は京都のモンベルの店長さん(30代くらいの山旅愛好家)が山菜で聞いたらここを教えてくれたのが来たきっかけ。らしきもの、含め結構見つけました。
↑渓相はよい? 風が強く、季節にしては寒く、ユニクロのライトダウンきっぱなし
↑ゼンマイ? 沢山あったので取り敢えず採取
↑山菜ニリンソウ 花があるからトリカブト↓ではない。葉はそっくり
↑毒草トリカブト。殆どこれとバイケイソウだらけ(これも毒、あり過ぎて写真とらず)
↑山菜ミズ(ウワバミソウ) 結構な斜面にあり、荷下ろし&チェーンスパイク履いて採取
泊地
河内谷上部、三重嶽へ向かう支流の沢分岐で泊。河内谷は広い河原が続き、泊地にことかかないが、強風を避ける場所に結構苦労、というか凝った。
尚、この支沢はネットに遡行記録なかったが、山頂まで比較的短く、2週間前の下見で西側の3沢どれも敗退したので消去法。
タープ張って寝床を設営、まだ16時くらいだったのでその後上流を少し歩くと、目の前でアマゴ大の魚がはねた(きっとアマゴ)。今日魚見たのこれが初(笑)
以下、山菜食べてみた
ミズ この赤っぽい茎が美味いらしい
↑確かに美味い!ミズの塩炒め 本物と断定。
↓(らしき)ゼンマイ塩炒め こちらは一口で吐き出した。アク抜きしなきゃダメなのはまあ知ってたけど食ってみて実感、この齢までこの味知らなかった(笑
↑季節の割に気温低く
一人の山泊について
いつも来てから思うのは、山の夜は寂しく、怖く、それでいて超ひま(笑)
寝床設営、薪集め、山菜食トライ、メイン(コンビーフペペロンチーノ)、おやつ(菓子パンとコーヒー)でもまだ20時前
次回は、文庫本と、あと火を使うおやつのレシピ(簡単メニューの本に沢山あるがやってないのばかり)、メインもバリエーション増やそうと、勉強中(今GW休の5/1)
二日目 三重嶽へ
目が覚め、(おそるおそる)スマホ開けると・・早朝4時前。でも7時間ぐっすり寝てる。
まだ暗いし寒くてシュラフから出る気がせず、そのまま今日どうするか検討。魚はあきらめて目的を登頂に完全切り替えと決定。情報なしの沢、何があるかわからないしここではもううろうろせず(魚釣れそうにないし)早く出るべきと(それがよかった、冒頭の通り)。
といいつつ、朝はゆっくり。ナッツやドライフルーツの入ったちょっといい菓子パン(私の行動食)、火であぶると格段に美味しくなる。あとコーンポタージュとコーヒー
朝6時発入渓
いきなり、行けそで行けない小さい滝&釜あり。滝は1m程度なのに両側含め手掛かり全くなく、手前が腰までつかりそうな釜。寒いし濡れたくない→手前から大きく巻くことにして・・でもチェーンスパイク履いても、登り始めたら微妙に怖い斜度・・やっぱ行くのやめて、ドボン覚悟で滝の両側に足ひっかけてエイヤで・・行けた。
↓その上流部、たまたま見つけた2種、上わらび(だろう)と下ウルイ?
——–この後に冒頭の詰め、水汲み忘れ・・の顛末——————-
以下その水汲みから、支尾根に戻って藪漕ぎ、登頂まで。支尾根は低木(とげのも混じる)が結構ある藪、かつ斜度も距離もまだあり、ここからはここからで大変でした。
今回、一つのテーマとして「GPSを見ない」がありました。スマホ(ジオグラフィカ)置いてくるほど自信は無いが、それはあくまで保険として、2.5万とコンパスで行けるだけ行こうと。
そんなに難しい地形でなくても、やはり自己位置がはっきりしていないと、全然違うとこに出る不安、これも一人故の。で、藪漕ぎの足も慌て気味になり、結構ハード。
登山道に出た時の嬉しさはいつも格別(大体明るくて高木の緑が一段と美しい)
↑三重嶽(さんじょうがたけ)山頂 少し休んでいると、軽装のトレールランナーが来た(多分20代)どちらから?と聞くと、北のマキノの方から20km走ってきたと言う。ここ、高島トレイルと言って、つまり走れるくらい整備された登山道になっている。ここにわざわざ難しい登り方をしてくる自分は何なのか?というのと、走って登ってきて走り去るお兄さんに感心しつつ・・
↓トレイルの印象的な一角
↑石田川ダムへの登山道分岐前、来し方三重嶽を望む
この後の分岐登山道、2.5万に無く、もう廃道で見つけられない事も覚悟していた
実は今回最高にGPS見たくなったのはここ。でも我慢、無理に見つける必要もない(今回の冒険はAMのだけで十分)、見つけられなければ・・それでもGPS見ないで南の武奈ヶ岳にも上り+2hの大回りに甘んずる(罰ゲーム)と決めていた。なのでちゃんと道あって看板見つけたときは今回2番目の喜び
「GPS見ない」を達成!
↑超ジグザク登山道 下山まじかも切り立ってること多いですね、だから尾根系の登山道は最後ジグザク階段みたいにつけるのが多い。今回その激しいパターン、長ーーい行ったり来たり10回くらい繰り返し
「登山の最良手段は沢登と確信し・・(たしか、わらじ発足の言葉?)」 について
私もその確信は変わりません。でも最良が最も快適とは限らない。最も自然の地形に即して合理的、しかし人工物に頼らない苦労&楽しさ、全部ひっくるめて最良なんだと、今回改めて思いました。
最後に帰宅後の山菜食について少し
やっぱり怖いので、仙人Wさんに確認(答え合わせ)。
左から、わらび(正解、ただし伸びすぎとのこと)、ジュウモンジシダ(ゼンマイはもっとふわっとした毛、これはめちゃ取り難い鱗状)、ウバユリ(ウルイは間違い)、奥はミズの葉のみ 以上がお土産。
帰宅後の山菜料理 右下はわらび(ショウガ&醤油)これはとろみありまあまあ行けた。真ん中ミズの葉(右上のだし+マヨ)でこれもまあまあ(茎より苦味あり)。左3つは十文字シダの和え物(どれも和えたものの味しかしなかった笑、し筋っぽかった。今後は食べないことにします) シダとわらびは重曹であく抜き、加熱30秒はやややり過ぎ
尚、ニリンソウ(↑上の方に写真)は少なすぎて採らなかったが、正解(Wさん)とのこと。ウルイならぬ、うばゆりは茎を塩炒めしたが渋みがあり、ちょっとかじって捨てました、ネットによればもっと若いのはいけるらしい、というかウルイ食べてみたい。
以上
シブさん、コージさんコメントありがとうございます
まだまだサバイバルっぽい、くらいですね
で本当のサバイバル登山にも凄い先駆者がいますから、、
私は、安全で快適なサバイバル登山
あたりを目指そうかと 癒し系サバイバル登山笑
サバイバルな山行、いけてます!
将来、私も…..!
スマホあるとついGPSに甘えてしまいますね。
沢のおもしろさ(怖さ)半減、グレードも半減。昨年その便利さを痛感しましたが、今年はそれを手放す山行したいと私も思ってます。