メンバー シブさん、コージさん、カズレーサーさん、juku(記)
皆様どうも、自然観察系沢屋のjukuです。
今回シブさんから遠征のお誘いを頂いたのは「南アルプス 光岳 リンチョウ沢 3泊4日」という何とも壮大なスケールの沢旅でした。
難しい登攀は無く、体力勝負で「まぼろしの大滝」を見に行くというもの。
これは登攀に全く自信のない、自然観察系沢屋の僕としては魅力的なお誘いです!
すぐに飛びつき、その日から減量と足トレを頑張る日々を送っておりました。
しかし、天気とは無情なものです。
当初予定のお盆の日程は台風の影響で流れ、再計画の今回も天気予報は絶望的です・・・
全国的に天気が悪い中、シブさんに転戦の代案として出していただいたのが「越後沢中俣 大滝登攀」でした。
え、、、 大滝登攀、、、 ですか。。。
正直全く自信はありませんが、僕以外のメンバーは数多く大滝登攀をしてきているメンバーです。
登攀はお任せしてフォローで勉強させてもらおうと気持ちを切り替えて新潟に向けて出発です!
大阪を出たのはおよそ20時半ぐらいだったでしょうか。
約8時間かけて十字峡登山センターに到着し、少し仮眠してから1日目の行程がスタートです。
【1日目】
林道を1時間程歩き、しっかりと整備された登山道へ入ります。
しかし、これがまた急登!
そして先頭を行くシブ隊長はハイペース!
すぐに体力を吸い取られます・・・
いや、弱い僕が悪いのです。
僕以外は涼しい顔をしています。
僕が足を引っ張る中、コージさんはキノコを次々と発見する余裕があります・・・
そんな、こんなで5時間ほどでベースキャンプにする池の畔に到着しました。疲れた!
早速テントを張り、まずはお昼寝タイムです。
1時間ほど寝て、さあ宴会かなと思いましたが明日の登攀が気になり全然お酒が進みません!
結局1杯だけしか飲まず、先人のトポを読み込み明日の予習をします。
次第にする事もなくなり、20時に就寝となりました。
【2日目】
2日目の朝はガスに巻かれているものの、青空が垣間見え天候は良さそうです!
ささっと身支度を済ませ、ベースを6時に出発です。
そして大滝へのアプローチまでの長い時間、藪漕ぎが始まるのでした・・・
笹はましな方で、木が生えているところがとにかく大変です!
かき分け、乗り越え、前に進みます。
朝のガスはすっかり晴れ、きれいな稜線が藪漕ぎで消耗した心を癒してくれます。
中間尾根から右俣大滝と中俣大滝が見える絶好のポイントがありました。
今回はこの200Mの大滝を登るのです!
さらに藪を漕ぎ続け、ようやく50Mの前衛の滝前に降り立つことが出来ました。
さて、登攀開始です。
まずはカズレーサーさんがリードで取りつき、フォローで続きます。
前衛の滝を超えると、もうすぐそこに200Mの大滝が!
左岸はフリーで登れそうなので、フリーで行けるところまで行きますが、他の方のレポではロープを出しているところも
フリーで登る事になるとは・・・
結果80Mほど登る事に・・・
トポ上の3P終了点からようやくロープを出します。
見るからにやらしい感じで、トポでも核心ピッチとされています。
と、いうわけでコージさんにリードしてもらいます!
途中右岸に渡り、1P目は終了です。
僕とシブさんは同時登攀で時間短縮をはかります。
無事コージさんの元にたどり着けてほっとする私
シブさんもニッコリ
1P終了点より少しフリーで登った所が落ちたらダメな感じで2P目としてロープを出します。
リードはカズレーサーさん
2P終了点は大きなテラスになっていて今まで登ってきた滝や、きれいな稜線が見えて気持ちが昂ります!
そして気持ちを昂らせた僕は3P目のリードに立候補するのでした・・・
必死のパッチでなんとか上部の小テラスに抜けて3P目は終了です。
無事に抜けれて良かったー
最後の4P目は落ち口に出る気持ちのいいピッチ。
リードしようとするコージさんにシブさんが声をかけます。
「私の番はないの!?」
と、いうわけで最後のピッチは、シブ隊長がリードをして締めくくりとなります。
落ち口から見える景色は壮大でした。
そして落ち口で集合写真です。
満足感に浸りながらもテントまで、また大変な藪漕ぎをしなければいけないと思うと気が重いです・・・
ヘッデンを用意して帰り道につきます。
道中、行きにはなかった大きな熊の糞が3つ!
縄張りを主張しているのでしょうか・・・
ところどころ獣の臭いも強く感じます・・・
藪漕ぎ中に日は暮れ、濃いガスに巻かれGPS頼みの道中になりました。
見通しが無い中、うまく岩稜帯をまくことが出来て「勝確やな」なんて話をしていましたが、この後まさか今回山行の最大核心があるとは!!
ガスが濃く、日が暮れてヘッデンの明かりでは5Mも視界がありません。
登山道から10Mほど離れた場所に張ったテントが見つかりません。
稜線に出てからは風も強く濡れた服でみるみる体温を奪われます!
記憶を辿りながらそれらしい所を降りて探しますが全く見つかりません。
1時間ほどうろうろしているとわずかな踏み跡が登山道から外れて付いているのを発見し、昨日僕たちが通った所だと確信します!
必死に下を照らすとぼんやりとテントが反射しているのが分かりました。
斜面を転がるように下り、テントに潜り込み、乾いた服に着替えます。
カズレーサーさんは体温が下がりすぎたのか、全身がつり始めて服を脱ぐのに時間がかかっていました。
自分の着替えが終わったら脱がしてあげないといけないのか・・・
すごく気が乗らないけど、そんなことを言っている場合じゃないな・・・
なんて思っていたらなんとか自力で着替えることができました!
本当に良かった!
【3日目】
最終日は下山するだけなので気楽です。
朝もゆっくりスタートし、快晴の中、絶景を噛みしめながらのんびりと下ります。
途中、1日目に流れたマイタケを発見した付近でキノコ探しの時間を取ります。
が、残念ながら食べれそうな(判別の付く)キノコは見つかりませんでした・・・
こんなに手つかずの自然林なのに、何も収穫が得られないことに落胆します。
仕方ないので駆け足で下山し、林道を歩き車に到着しました。
3日ぶりにお風呂に入り、おいしいご飯を食べて、途中某所で打ち上げ宴会をし、長い道のりを帰ります。
こうして今シーズンの遠征山行は終了となりました。
わらじの会に入るまでは大渓谷の山行は想像したこともなく、遠い世界のおとぎ話的なものだと思っていました。
実際に自分がその遠い世界に足を踏み入れてみると、言葉では表せない感動と驚きの連続で本当にわらじの会に入ってよかったです。
来年はどんな景色が待っているのでしょうか。
最後に・・・シブさん、コージさん、カズレーサーさん、本当に楽しく厳しい、一生の思い出になる山行に参加させて頂きありがとうございました。
まだまだ沢山の心に刻まれる沢が待ってますよ!
もう待ち遠しくて堪らないですねぇ(^o^)。
力の入ったレポを有難う!
越後沢は沢を始めた頃からの憧れの谷の一つで、
私にとっても心に残る山行でした。素敵な仲間を共有することで、更に心に刻まれました。
利根川一つとっても、本谷、水長沢、小穂口沢…一つ一つ独特な個性を持ってます。更に上越、東北、アルプス、日本全国、そして世界に視野を広げれば千差万別、無限の谷があります。幾ら行っても行き尽くせません。生涯、夢を追い続けることができるのが、沢登り。
来年は是非、リンチョウをリベンジしましょう!そして、利根川本谷😉