滝本本谷に行ってきました
これまで自身で記録というものをほとんど残してこなかったので、有名な谷ですが、備忘の意味でポイントだけ書いておきます。
今回もあえてジオグラフィカと地図だけ持ち、遡行図と知識は持たずに出発。入渓点はわかりやすいです。
看板から滝本本谷の遊歩道です。観光気分で10分。これが宝龍滝でしょう。岩を割って、清冽な直瀑が深い滝壺に注ぎ込んでいます。真円に近い滝壺が一枚岩に刻まれています。水はやや少ないのかな。
巻きは、手前の二股を右にとり、一つ目の幅広滝を越えてすぐルンゼに入ってみました。これが登るにつれて厳しくなるルンゼで、途中で沢足袋からスパイク地下足袋に履き替えて、手指を差し込み土中の細根を探ってなんとか登りました。違うかとも思いながら、空き缶など散見できたのを拠り所に登り切り、小尾根を乗り越えて滝本本谷に復帰。少し戻ったところが落ち口でした。
でもこの巻きは大間違いで、宝龍の滝の二の滝もまとめて巻いていました。連瀑なんですね。気がつかないとダメな完全な登りすぎ。落ち口から覗いた印象がとてもよく似ていたのと眼下の滝壺までそっくりだったので、帰宅後に答え合せをして初めて気がつきました。巻くために入渓した谷は杉谷という名前でした。
良く使われる巻きは、二股直後の右岸急斜面で、遊歩道の残骸があるらしいです。でもロープを出すようなズルズルの斜面で、結局、苦労していない人はいないようです。核心?
ポイント1、宝龍滝は二つある
遡行を続けると、どんどん水が少なくなります。入渓前に見た発電所にただでさえ少ない水を引いているんだと思い当たり、関西電力の無粋さにだんだん腹が立ってきました。滝のない滝壺が続きます。水は翠く澄んでいます。
この後、完全に渇水。水のないゴーロ、水のないゴルジュを遡行して、うんざりした頃に取水口。一気に水が増えやっと沢らしい沢に戻りました。
ポイント2、関電に水をごっそり奪われるので、渇水時は避けること。
ここからは滝と滑が続く開放的な沢です。
帰って調べると、これが燈明滝40メートル。夏でこの水量ならフリーソロで抜けれるタイプ。今回、登ったのは右岸です。右岸の滝横の登りは、乾いて階段状で簡単。高度感があり、とても気持ちよく快適でした。帰宅後に調べると、案内本やブログでは左岸の小谷から巻くという選択が大多数でした。でもここは右岸が大正解でしょう。
ポイント3 燈明滝は、右岸が快適!
最後は穏やかな滑が続き、町で汚れきった心がちょっとだけ綺麗になったかなと錯覚できたら、あとは下山するだけ。これが少し厄介でした。地形図に記された右岸道(点線)は廃道でした。正解は、とにかくさっさと尾根に乗り、尾根の踏み跡を辿り続けて、関電巡視路のフタに出会うまで下ればいいようです。または、潔く、そのまんま降渓するかです。
ポイント4 地形図の道は信用したらえらい目に遭う
結局、取水口まで急斜面を這うようにして道の痕跡を戻り、やっと現役巡視路のフタに乗れました。これはいちばん時間がかかる選択です。地形図の道は、探してみて見つからなければ廃道というパターンは割と多いです。無理に探さないこと。あと、杉の小枝は、ズボンの裾から入り、思わぬところまで登攀してきます。
ポイント5 杉の小枝の登攀力はあなどれない
滝本本谷は、スケールの大きな滝と美しい滑で出迎えてくれました。日差しがあり冬でも温かい遡行ができました。滝本の集落は、どの国道からも町からも1時間以上隔てられた山の中にあり、静かな風情ある集落でした。
日帰りなんかしないほうがいいです。絶対に。
>杉の小枝の登攀力
気付いたらびっくりするところまで上がってきてますもんね。
なんかチクチクするなって思ったら・・・。
>関電巡視路
この谷に限らず巡視路は沢の下山に利用させてもらってます。
場合によっては入谷も・・・。
黒部の谷の多くは関電さんのお陰で入谷できます。ありがたや~。
登攀力については、
シブ&コージー>杉の小枝>ヒル>カエルなど>SEGAWAです。岩トレで思い知りました。ホームの摩耶・長峰で鍛錬しておきます。美麗なるものだけ100%習得に、また岩トレ参加させていただきますね〜
烏帽子はシビアなスタンス多くて、
運動靴では、誰でも登れないですよ~。
今度はクライミングシューズ持参をお勧めします。
燈明滝の写真、向かって左下に白い雪塊のように見えるものがあるんですが、これ何ですか?
お一人で色々行かれてて、凄いっすね💛
かなりでかい雪の塊でした。南紀で標高も低いのに! 水は冷たくなく、夏の白川又の方が冷たいくらい。定期的に沢に浸からないと禁断症状が出てしまいます> <
やっぱ雪っすか。年末年始の寒波などで熊野川町のほうまで雪積もってたということですね。凄いなぁ。