七面山に突き上げる中ノ川。大峰、旭ノ川の支流です。次々と登場する滝はドカンと男性的であったり静謐で女性的でもあったりと、なんともヴァリエーション豊かな谷。
改めまして初めまして。わらじの会に入ったばかりのイトーミサです。
行きたいところに行くための技術的な障壁を少しでも低くしたい・・と思いわらじの会に入りました。行きたい場所は沢に限らずですが、沢は自然が深いし水があるし人がいないし動物の生活の気配がするし古道の絡みもあるしで、やっぱりいちばん面白くて好きです。今後ともよろしくお願いします。
=全行程さらっと。=
中ノ川出合から入渓、谷中一泊で七面山近くの稜線まで詰め、下山は西へのびる尾根を伝い、途中交差する長い長いオバケ林道、その林道脇に現れるモノレール伝いにモジケ小屋まで直下降。モジケ小屋からは杣道をルーファイしながら入渓点まで下降。行程(とくに下山)が長く、不動小屋谷出合の駐車地に着いた頃には真っ暗でした。
メンバー:シブさん、コージさん、N筋さん、イトーミサ
=レポート=
駐車地からの林道歩きで垣間見せる中の川ブルー。
この恐怖の吊り橋を渡って入渓。木板スカスカでワイヤーむき出し。チビりそうになりながらガニ股モデル歩きで突破。
地獄滝。にやりと笑う口元を着物の裾で隠すように、滝の下半分は不思議な形の岩で隠され地獄感を演出。
地獄滝の高巻き。左岸をいくのですが悪くておそろしかったです。シブさん的には、「全然行けるわ!」
時間をかけて地獄を抜け、束の間の緩い歩き。ザイルを担いでいる方がN筋さん。足元はなんと業務用安全靴。沢登りの経験は浅いとのことですが、安定したスタミナと平常心、躊躇なくダイブする姿に私は尊敬のまなざしを送っていました。
シンメトリーに静かに注ぐ流れ。淵には神いるね。
地獄の次はやはり極楽滝。
地獄滝ほどではないにせよ高巻きは極楽ではありません。
ときどきジャボンあり。N筋さん嬉しそう。我慢できない水温ではありませんでした。
牛鬼滝を巻き始めるところ。対岸側からじゃなければ撮れないショットは、N筋さんによるもの。
コージさん「木の墓場やな」
支流のケヤキ谷過ぎたあたりに幕営適地。翌日、ここを逃すとかなり暫く平坦地はなかったのでシブ&コージさんすばらしい決断。
焚火にあたろう。みな思い思いのメニューで乾杯です。この日の夜、私は寝ている間に顔面を20か所蚊に刺されました(5か所くらいだと思ってたのに帰宅後数えてみたらゾゾゾ)。防虫ネット被っていてもちょっとでも隙間あればダメっすね。次回の課題。
2日目…
出発してすぐの泳ぎでメガシャキ
黒滝です。まさに”仰ぎ見る”。写真ではわからないのですが周辺には滝風に揺れるツツジが生えていて、美しさを引き立てていました。この滝は右岸から巻きましたが歩きやすく踏み痕も明瞭で昨日ほど苦労しませんでした。
その後は
美しくて・・
・・おそろしいナメ滝が続きます。
おそろしいから、美しいのか。
詰めは急登のゴーロが続きます。暑い。しばらくこのゴーロを行き七面山南西にのびる尾根を目指しつつトラバースしつつで1397にのびる稜線に出ました。詰めの詰めはシャクナゲと笹漕ぎでした。
▲七面山 往復(N筋さんのみ)
下山開始。うわさに聞く林道と出会うまで長い尾根歩きです。七面山登山道分岐を過ぎた後も、良く踏まれていました。頼りないルーファイで先頭歩きます。
崩れまくったヒヤヒヤ林道です。うわさに聞くモノレールが見えるまでひたすら…。私はこの林道歩きで心がボキボキ折れ始めました。
崩壊した林道の中に場違いなほどきれいな小屋が!旭山荘と書いてあります。もちろん使われてはいなさそうなのですが、これはいったいどうゆうことなのかえ?
林道脇に現れたモノレールを頼りにモジケ小屋まで直下降です。
モジケ小屋から中ノ川出合までは時々不明瞭の杣道。1/25000図にある破線ルートと実際の杣道は違います。電話線のようなコード?がとても頼りになります。日も陰り、最後はズルズルガタガタ鉄梯子の連続、そして中ノ川出合のあの恐怖の吊り橋、最後の最後はまた林道歩きで締めくくりです。
*****
バテました。紫陽花をみても、「あじさいだ」としか思わなかったなあ。技術体力的に余裕がでてきたら、一句詠むのだろうに…
さっそく、投稿有難うございます。
地獄滝は難しいラインで巻いてしまいましたね。
このロスがなければ、
初日はもうちょっと足が延ばせたはずで、翌日の行程も短縮できていたでしょう。
中ノ川は三度目でしたが、もう一度行ってもいい谷でした!
shibuさん、ありがとうございました。しょっぱなに大きな障壁でしたね。
今回は勉強になることばかりでした。
何度行っても違った印象をうけることが、とても魅力的ですね。
メッセージをありがとうございます。
後で言葉にするのは容易いのですが遡行中は必死でした。吊橋はしょっぱなの根性試しですね笑
お疲れ様でした。
イトーミサさんの地獄滝の表現、まさにそんな感じですね。さすがです。
もともと体育会系ではありませんが、地獄滝を見て、滝が登れるもんなら近づいて見ろってバリアを張っているようでした。そのバリアをくぐり抜ければ、たぶん滝直下から最後に詰めたルンゼから頭に抜けれたかなと想像してました。
沢は人それぞれの見方で、どのようにもなるとおもいます。
イトーさんの表現、また見たいので、色んな沢に行って下さいね。
Cozyさん、ありがとうございます。
確かにそうですね。同じ景色を見ても一人一人違うことを感じる。だから面白いのですね。
自分も変わっていきますしね。
今回は本当にありがとうございました。
ワタクシ如きがコメントしていいものか
と迷いが生じましたが
読み応えありました。楽しめたようでよかったっすね!!私なら吊橋わたれず、渋ちゃんにドヤされ、脱落してると思います。
中ノ川は巷の文豪を開眼させるチカラがあるのかも…。
メッセージありがとうございます。後で言葉でまとめるのは容易くても、遡行中は必死でした。
吊り橋はしょっぱなの根性試しですね笑