溯行 

台高 丸塚谷一ノ沢左又ゴルジュ完結編


昨年9月に訪れ、見事に敗退を喫した丸塚谷一ノ沢左又ゴルジュ。

一年越しのリベンジを果たしに今回訪れ、

核心の45mの登攀に成功し、完全溯行を果たした。

丸塚谷は、わが会報、『溯行』20号による茂木氏の記録を見て興味を持ったのだが、

こんなに悪いゴルジュがあるとは思ってもみなった。

丸塚谷の各支谷をそこで茂木氏が調査されているのだが、

未溯行部分だったのが、ニノ沢出合の100m連滝と、

そしてこの一ノ沢左又出合150m連滝。

当初は二ノ沢とばかり思い込んでいて、一ノ沢左又に奇しくも入ることになった。

どういう顛末に至ったのかは、過去の記録を参照してもらうことにしよう。

こんな近くに私たちの胸を焦がすような未踏(未登)のゴルジュ、

そして大滝があるなんて・・・。

 

【日程】2019年11月21日(火)

【場所】台高 小橡川支流橡谷支谷丸塚谷一ノ沢左又

【天気】晴れ

【メンバー】シブ&コージ

 

日本列島の多くの地点が、今シーズン最低気温を記録したこの日。

林道の駐車地に9時半に到着した時にでも、2度という温度計の表示だった。

適当に斜面を下って丸塚谷本流に降り立つ。

どうプローチしたかは、勉強してもらうとして、一ノ沢左又出合は狭く、

うず高く巨岩の堆積した暗い谷間だ。関門の8mを突破したら、いよいよ一ノ沢左又ゴルジュに潜入だ。

 

 

 

谷間は8m上で、スリット式にぐっと狭まり、チムニー滝を相次いで掛ける。

両岸は、百メートルはあろうかという壁。逃げ場はない。

水量は限りなく少ないはずなんだが、そこしか弱点はなかった。

チムニー6mで、とうとう頭からシャワーを浴びるハメに。

 

 

 

CS4mを越えると、谷間は一旦河原となる。両岸は無論、未だ手の施しのようのない壁が続く。

谷はその先で急遽左折して大滝を掛ける。

前回来た時、大滝の突破を図るのに、しっかりシャワーを浴びたので、覚悟はしていたのだが、

期待ほど水量は減っていないので、ガッカリ。しかも、すっかり忘れていたのだが、

滝に取り付くのに釜を渡渉しなければならないことに気付く。

でも、今更、引き返す訳はにはいかない。大滝下部は、まず左のカンテを登る。

そして、バンドをトラバースし、直進するルンゼへ。今までなるべく濡れないように頑張ったのが、何だったのか。

流芯を横断する時にすっかりズブ濡れになってしまう。

チニムーで奮闘し一旦、ルンゼ内に入る。

 

 

 

 

昨年は、ここでルンゼを直進してしまい嵌ったのだが、突破口はどうみても、

滝身しかない。しかし、スラブの悪いトラバースが待ち受けており、

この先行ったとしても進めるかどうか保証はない。ここで、沢靴からクライミングシューズに履き替える。

誰も行ったことない所を、先頭に立って道を切り開くのは、勇気のいることだ。

コージの勇気には脱帽しかない。

 

行き詰まる不安に耐えつつスラブをトラバースしていくと、奇跡の導きのようにバンドが通じていた。

バンドを辿り、岩溝に掛かるCSの脇をちょとしたムーブですり抜けて、更に滝身に近づく。カンテを回り込むと、

嬉しくなる展開が。もう、足先も指先も全く感覚なかったが、シャワクラで下段40mの頭に立つ。

 

 

残すは上段5mの登攀のみ。

しかし、これが意外と手強く右側の被ったところを人工で突破することに。

パワフルな人工登攀の後は、際どいバランスのトラバースで頭に抜け上がる。

 

 

振り返って。

 

丸塚谷一ノ沢左又ゴルジュ核心の滝は、高度計測定で45m。二段の大滝だった。

こんな気持ちの良いラインで登れてしまうとは。行ってみなくては分からない。

登攀ラインはシャワーを避けられず、沢屋の本領発揮のルート。

文句なしのリベンジを果たすことができた。

暑い時なら下部の連滝帯もシャワクの連続で愉しい。

篤志家向き、関西の登攀系沢屋なら、是非訪れて欲しいものだ。

 

さて、ゴルジュ以後はと言うと。

45m滝を越えると平凡なゴーロとなるが、両岸の壁は高くなかなか林道に

エスケープさせてくれない。

約1時間の溯行で、ようやく林道に飛び出る。

 

 

 

 

 

 

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