穂高 下又白谷 2017

去年敗退して、それ以来行きたくて仕方なかった下又白谷

今年ついに遡行することができた。内容はお粗末な部分が多く、反省点ばかりの遡行だった

しかし内容は素晴らしかった。行ってよかった。また行っても良いな

9月23~24日 二人(会外1)

去年と同じく上高地で待ち合わせし、7時に出発。まずは出合までガシガシ歩き、去年と違って伏流している下又白谷へ

8:20に沢方向へ入り、はやる気持ちを抑え進んでいく

谷が右へ曲がっている部分で、出ました、巨大雪渓です。去年激少、今年多いということもあり、凄い違いだ

F1もほぼ落ち口まで埋もれている。そしてなんと右岸へ取り付いている人が!!まさかここで人と出会うとは。五十沢やザクロでもあったが、こういうのはちょっと嬉しい

去年と今年の違い。今年も水量は多めだが、去年はさらに多い。敗退だったが、去年はこの姿を見ることができて良かった

右岸には別パーティーがいるので、去年と同じく左岸から取り付くことにする

降りる方法は竹ペグ懸垂しかないので、流木をこれでもかと埋め、石をいっぱい置き、アイスハンマーでバックアップ

こういうのは初めてなので、少し大げさに埋めすぎたかもしれない。もっと短時間でセットできたかも?

何はともあれシュルンドの中へ降りて行く

振り子で壁へ取り付こうと思うが、勢いが足りず無理。仕方ないのでトラバースしようとするが、ここでアックスを上のバックアップに使ってしまったことに気付く

つるつる滑り、ずりずりちょっとずつ降りてしまい、底なし(ではないけども。そんな気分)のシュルンドの狭くなっている部分ではさまる

一度ユマーリングで少し上がり、ハーネスの前後にカラビナを付け、それで摩擦を増やしてなんとか横に脱出できた。疲れたし時間もかかった。。。アックスさえあればすぐだったのに

ザイルが抜けずちょっと焦ったりもしたが、気を取り直してルンゼを上がっていく

後ろを振り返ればもう1パーティーもなかなか苦労しているよう?

去年上がりすぎたのが強烈に印象に残っているので、ザイルを結び何度か壁に取り付くが、ことごとくダメ

五回目くらいでここか?というラインに乗れ、左上していく。ここもぱぱっと取り付ければ良かったのにと今は思う

そしてこのボロボロルンゼでの落石で今年買った50mロープが死亡。あまりにも早すぎるご臨終であった。地味につらいが二本持ってきていてよかったと思うことにしよう

トラバースはやらしい部分もあるものの、順調に進み小尾根上の灌木から懸垂。50mと聞いていてびびったが、余裕で降りれて一安心

ここでもザイルがスタックして回収不能の危機でわーわー騒いだが、結果的にはちょっと登り返すだけで回収できた

そのままF2へ向かう。右岸パーティも大体同じくらいに落ち口へ。ちょっとだけこちらの方が早かったようで、先に取り付く

前衛滝をフリーでこなし、F2へ。まずは相方が右岸へ取り付くが、途中で抜けれずクライムダウン

代わって、左岸へ取り付く。上部まで登って行くが、そこでルートに迷う。これ以上行くとクライムダウンできない気がするが、この上繋がっているのか。。。

結局、一度落ち口へトラバースし、ピッチを切る。しかし、二段目の滝は全く弱点がなく、やはりさっきのラインかと戻ることに

ハーケンでのA1交じりで立木まで。疲れた~。のろのろ登ってしまったせいで後続はF2前でビバーク。申し訳ない。ここも落石がかなり多かったので、直後に登ってくるのは難しかっただろう。。。

ここでも荷上げでもたもたしているうちに日没し真っ暗に。ヘッドラで斜め懸垂し菱形岸壁へ続くルンゼへ。その途中の何とか二人が座れるスペースでビバーク

ツェルトを被るも狭いしゴツゴツしてるし、こんなんじゃ眠れnzzz…

狭いながらも楽しい我が家。こんな場所だが二人とも結構眠れた。寝不足がたたったのかもしれない

さ~今日こそさくっと抜けてしまおうと元気に出発

F3までは一か所ザイルを出すも順調にサクサク進める。天気も良く、白い岸壁に囲まれるんるん気分

F3はショルダーからのネイリングのA1で滝上へ。落ち口付近は冷水を被りっぱなしのネイリングで手足の感覚がなくなる

昨日から気持ちで負けているのか、ピン取りすぎな気はするのだが、トップで行ってるとどうも。。。難しいところだ。しかし時間をロスっているのは間違いない

回収も地味に大変だった模様。深く打ちすぎた疑惑も出てくる。そしてまたまた荷上げで大ミス。というか、今回毎回のように荷上げでロスっているのですが。終わっている

 

三段目。最初右側へ突っ込むが、途中から残置の残るラインへ。ここだけ残置が結構あり、A1で直上

なかなか良い感じの滝が続く。時間はかかっているが気分はもりあがる。ここからはそんなにかからないだろう~みたいな

この谷最大のF4。取り付きはぬめぬめの部分から。ここまでそんなにぬめらなかったのでちょっと緊張するところだ。その後はルンゼ状を垂壁まで

さて、記録では垂壁を木で人工とあるのだが、抜けてしまったようで何もない

仕方なくうす被りの壁をネイリングで直上。あとちょっとの部分で良いリスがなくなり、行ったり来たり。大分消耗してしまい、一度交代

かなり浅打ちのハーケンを一本打ち足し、アブミをかけ、なんとか超えて行っていた。助かる~その先もザイルを伸ばすが、ぬるぬるでちょっとやらしい

次はF4落ち口まで。水流中でプロテクション取ってたらまたもや手足の感覚が消えた。上高地からお近くでこんな良い場所があるとはな~

梓川の流れが近くに見える。徳沢の明かりもここから見えた

この時はまだ何とか見えていたF5。簡単らしいし、ラインはわかるな~とか思っていたらまたまたまた荷上げやなんやでもたもた。そして日没

月もなく真っ暗で、ここでビバークを主張するも、とりあえず行ってみると相方が主張し取り付く

実はC1で相方のヘッドラが故障し、こちらの一つしかないのだが、それをたくし暗闇でビレイ

結構ランナウトしていたし、見ていてかなり恐ろしい。心の強さが問われ続けている

無事抜けてくれ歓声をあげる。ここでアクシデントがあり、最後のヘッドラまで死亡。携帯のバックライトでフォローすることに。まぁとはいえフォローなのでなんとか

F5からはガレたルンゼとなり、何故か赤い光だけ復活したヘッドラ&携帯手持ちのバックライトで進む

ガラガラ崩壊音が暗闇に轟き恐ろしい。ここら辺でクライミングシューズを脱ぐが、14時間以上履きっぱなしでお互いに足の感覚がない。痛みはある

ちょいちょい外しながら茶臼のコルに23時。そのまま奥又白池を経由し、分かりにくい松高ルンゼ(道を外していた可能性あり)を進む。途中、急に道が明瞭に(ここで復帰した可能性あり)なり、ペースが上がる

かと思われたがそんなにあがらない

ここまで来たら急いでも仕方がないので、ひたすら話して時間とかを忘れながら歩く

途中自販機が稼働していて、炭酸を補給して生き返った

深夜なのに意外と人が歩いている梓川沿いを進み、上高地到着はAM5時。出発から約23時間という大失敗っぷり

 

だがしかし沢は素晴らしかった。あのロケーション、白い壁、北アルプスの雰囲気。来てよかったと心底思う

来る人が減っているからか、F3の最後以外は残置もほとんどなく、良い状態で登れた。最後回収する時間も惜しく、ガッツリ決まっているのは少し残置してしまったが

登攀中遅いのは仕方ないにせよ、その他の部分で何時間無駄に使った?という感じで、そこは反省点しかない

こんなことを繰り返していてはいけないので、また次に生かさなくては

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2件のコメント

  1. 時間は掛かったけど、色んなハプニングが起こりながらも、
    溯行し切った心の強さに脱帽します。
    話に聞いていたが、あれが竹串懸垂ですか!
    画像で見るのは、初めて!!

    • ありがとうございます。
      遡行しきったというか、敗退しようにも戻れないという面も大きかったですが^^;
      そして後半は相方の何が何でも朝までに下山という精神力に助けられました

      竹ペグ懸垂、もっとちゃんとしたやり方があるのかもしれませんね
      よくわからないので、とにかくハンマーで掘って掘って、木埋めてシュリンゲかけて雪被せて石乗っけてとやりました
      とりあえず、びくともしなかったので成功ということで