10月23~26日、昨年に引き続き、黒部の柳又谷に行ってきた。
10年前、2007年以来の宿題を今度こそ、片付ける為に・・・。
今回は、赤男谷を下降し、上ノ廊下入口にダイレクトに降り立つアプローチを採ったが・・・
前日、糸魚川に向かって北陸道を走らせる。北日本には影響ないと思われた南岸低気圧、しかし、富山に入っても雨は止む気配なし。さすがに新潟に入ると、止んだように思われた。
蓮華温泉に到着した時には晴れ間も覗いていたが、鉱山道を歩いている内に、
雨が降り出す。周囲の草木もしっかり濡れており、希望に反し前日やはり雨が降っていたようだ。
瀬戸川の水嵩も増えているように見えるのは、気のせいだと思うようにした。
稜線に出ると、雨に加えて、風とガス。視界も利かない。
避難小屋に逃げ込み、明日の回復を待った。
翌朝、待った甲斐があった、快晴の青空!
登山道を雪倉岳を経て朝日岳方面に進む。
稜線を歩いていると、白々とした流れを眼下に見下ろすことができた。
きっと、柳又谷の柳河原の水流だろう。
ツバメ平の水場から、いよいよ下降開始!
最初は笹やハイ松の藪がうっとおしかったが、やがて河原に出ると辺りの風景が開ける。
赤男谷を下って行くと、正面に清水岳から猫又山に掛けての山塊が眺められる。
右手の残雪見える谷筋は、大ナル谷。やはり、例年より残雪が多いようだ。
左手にはハヤ谷の切れ込みも見えるが・・・・。
ようやく柳又谷に降り立つ。
水に濁りはないが、黒部の暴れん坊は、ハンパなく水量が多い。
赤男谷出合から上ノ廊下入口まで河原だが、渡渉は全然無理!な感じ。
ササゴマタ谷出合を過ぎると、谷は不意に岩壁の合間に消え失せる。
ここが上ノ廊下の入口。10年以来の再訪だ。
入口に掛かるS字ノ滝を見ると、どうしようもなく水量多い。
たとえ巻いたとしても、谷通しの溯行は無理だというのが、一目瞭然だった。
上ノ廊下は諦め、その日は河原でタープを張ってビバークした。
翌朝、減水はしていたが、上ノ廊下溯行はまだまだ無理な感じ。
見上げる青空が恨めしかったが、引き返すことにした。
最終日も、快晴。白馬岳から昇る朝日が眩しい。
上手く行っていれば、今頃・・・などと思ってしまう。
再び、鉱山道を歩く。
見上げると、雪倉岳の山腹を彩る紅葉が目に鮮やかだった。
今回も10年前の宿題を片付けることができなかった。
また、再びこの谷に向かうことになるのだろうか?
「 沢登り技術に長けた経験豊かなパーティのみに許される第一級の谷である。核心部上ノ廊下の突破は廊下遡行の極致とも言えるが、たとえここを巻くにしても、全体に総合的技術を要求される。加えて天候に恵まれることが溯行成功の最大条件でもある。」
『登山体系 剣岳・黒部・立山』「柳又谷本谷」の項から。
天気に泣かされていますね。。。
去年はこの時期最悪でしたね。今年はピンポイントで降ってはいるものの少しはましなので、どうなるかと思っていたのですが
写真を見ると凄い水量だったのですね!晴れていただけに残念そうです^^;
10年前の写真と比べても2,30センチ以上のレベルで水嵩増えてました。
天気良くても、これではね、、、という感じで、
なかなかチャンスは廻ってきてくれませんね。
残雪の多さに加え、近年、秋の雨量が増えていることがあるのかも?