白川又川流域の渓谷の中で、最も奥に位置する白川又川・中ノ又谷。
林道を歩くにせよ、尾根越えでフジノトコに至るにせよ、大峰の谷の中でも最もアプローチが悪い谷だと言えるだろう。
紀伊半島水害後、土砂ダムの出現により入谷は、更に困難となったと聞いていた。
・・・あれから数年が経ち、土砂ダムが消失したとの情報。
梅雨入りをまじかに控えた6月初旬に絶好の機会に恵まれた。
【日程】2018年6月2日~4日(二泊三日)
【場所】大峰 白川又川・中ノ又谷上ノ谷~中ノ又本谷右又
【天気】晴天(三日間とも)
【メンバー】シブ&コージ。
初日は上ノ谷出合までのアプローチ。
林道ゲートに駐車し、3時間以上林道を歩いて終点まで。コブキ手前の崩壊箇所を過ぎると落石などが目立つようになる。
大黒河谷を大きく迂回し、林道分岐を過ぎると、崩壊なども見られて林道が荒れてくる。以前は、車で通過できたのだが、今は、不可能。年々、荒廃は進んでいるようだ。
終点からは、フジノトコへ降りずに、アノ谷出合へと山腹をトラバースする。
中ノ又谷出合付近の瀞場をカットする為にだ。(ワル谷溯行時にすでに行っている)。
中ノ又谷に降り立つと、左岸の山腹が大きく崩壊しているのが目に入った。
荒れ果てた河原を進んで行くと。更に左岸側の大規模な崩壊を見る。
夥しい土砂が谷に堆積し、壁となっている。数年前の期半島大水で、山体崩壊が起きた。
壁のように堆積した土砂が土手となり、この上部で土砂ダムを形成していたが、
今は水は流れて、単なる砂山となっていた。容易に現場を通過。
崩壊現場を通り過ぎると、以前のような流れを取り戻す。
ワル谷出合は薄暗いゴルジュとなって連滝を掛けている。
中ノ又谷自体には、大した悪場もなく、間もなくして、上ノ谷出合に到着。
いい台地を見付けたので、そこにタープとツェルトを張った。
それから、時間を掛けて、明日の分までたっぷり薪を集めをする。
ここにベースを置いて、明日は上ノ谷を溯行し、中ノ又本谷を下って戻ってくるという戦略だ。
焚火が安定するのを見て、渓流で冷やしておいたビールで乾杯!
この瞬間が、いつも最高~~(^0^)/U~。
二人ともそんなに強くないので、19時にはシュラフの中に入った。
翌朝は明るくなるとシュラフから出て、焚火も熾さず、ラーメンで簡易な朝食。
ツェルトから頭が出て寝ていたので頭と、夜中にトイレに行った時にか、
お尻周りが痒くて堪らない・・・。。
上ノ谷は、いきなりゴルジュで始まる。
出合に掛かる滝の右側を登って、ゴルジュ内へ侵入。
残置を見付け、ネアンさんが行った時のものだろうか?
その上には20mが立ちはだかり、高巻くことになる。
続くトユ状滝を越えると、ゴルジュを脱する。
ゴルジュを抜けると、白川又川特有の白い岩肌が美しい滝たちの饗宴となる。
豊かな水量を湛える淵と、鬱蒼とした原始林が、私たちを別天地へと誘うよう。
やっぱり、白川又川は大好きだ~~!!
連滝帯を抜けると、ちょっと荒れた感じとなるが、
二又を左に進むと、第二ゴルジュの始まり。トユ状滝を登って、
ゴルジュに潜入する。
谷幅はぐっと狭まり、CSを相次いで掛ける、有名なスリット式ゴルジュ。
特に左岸の岩壁は高くて、すんばらしいっ!
途中で、右岸に逃げた。
奥ノ二又は左又に入る。谷はガレが堆積していて荒れた感じ。
崩壊壁とルンゼ状に続く連滝は、大峰特有の源頭風景。
奥の滝を越えると、水切れとなる。
上ノ谷の水源。
本谷は涸れるが、左の枝沢から水がコンコンと湧き出ていた。
水切れのタイミングで、尾根に逃れる。
シカの踏み跡を追って、稜線へ。
舟ノ垰付近の稜線に登り出、楊子ヶ宿方面へ、しばらく歩く。
分水尾根を確認し、下降ポイントを探る。
左又を下ると大変なので、慎重に、右又を見定める。
シカ道のある尾根を選らんで下り、
最後は、懸垂下降で中ノ又谷本谷源頭に降り立つ。
落石注意!
中ノ又本谷は、右又を選んだとしても、源頭はこのようなガレが堆積した崩壊ルンゼ。
崩壊地帯を脱した時は、ホッとした。
左又が合流する辺りで目にした奇岩。
左岸には、このような岩峰も見える。
上の岩、落ちてきそう~~。
やがて、家ほどの巨岩が谷間を塞ぐようになる。
比較対象ないが、三階建家屋くらいあるのが、ゴロゴロと・・・。
随分長い間、伏流だったが、ナメ滝を見るようになると、水流が復帰する。
出合までは、もうすぐだ。
出合ベースに到着すると、さっそく焚火を熾す。
昨日、薪集めを頑張っておいたお蔭で、あっと言う間に、メラメラと火が上がり、
冷えたビールで乾杯!
翌朝、帰路にて。
この日も、文句なしの晴天。
土砂に埋もれた下流部には在りし日の面影はないが、その先には、中ノ又谷の素晴らしい渓谷美が残されていた。
左岸の岩峰は『青不動、葵不動』とか言われています。昔ワル谷を溯行して、楊枝小屋から中ノ又本谷を下降しました。数mの滝上に懸垂下降の支点、残置ハーケンとスリングがありましたが、フリーでクライムダウンしました。大黒構谷溯行時も同ルートを下りました。上ノ谷溯行時は舟ノ垰(国土地理院の地形図 C1594の位置ではなく、南へ三百mばかり進んだ石碑のある場所)を過ぎたあたりから下降しました。アノ谷出合から廃林道終点に上がる仕事道が不明瞭で要注意です。往きに通るときよく覚えておくこと。
あの岩峰、名前があるんですね~。それ程有名?!
中ノ又本谷下降した時は、確かに唯一残置があった滝が、
下部ににありましたよ。無水さんは、一人で・・・??
アノ谷へは不分明なので道をアテにせず、
地形を見てこの辺かなぁ?~とルーファイした方が賢明です。
天気ええ日が続いて、綺麗な滝とか見れて、焚火もして、最高でんなぁ。
まいど!
天気に合わせて取った訳じゃないけど、連休にしたとこと、
晴れ間が運良く合ってくれて、ラッキーでした。
焚火はええね。
長らく行っていませんが白川又川の下流部、凄いことになっていますね。上流部がきれいなままなのは嬉しいです。ハーケンの残すとか勿体ないことはしてないです。沢の光景は忘却の彼方に向かっているのに、夕飯に時間かけて豚の角煮作ったのに、みんなもう出来上がっていて余り有難がってくれなかったのを思い出してしまいました。
中ノ又谷を溯行した人は、少ないと思うんで、もしかしたらネアンらのものではないかと・・・。
そうですよね、残置なんか、わらじはしませんよね。
上ノ谷、いい谷でしたね!
白川又川はどの谷も綺麗で、お勧めです。
水の豊かさ、森の深さが魅力です。
沢人生で、一度は訪れて欲しいです。
綺麗な所ですね。
白川又川は、レベルの高い(溯行難易度が高い)沢ばかり、という
先入観が先立ちまだ行ったことないですが、いつか行ってみたい流域です。