刈安谷(カリヤス谷)遡行  十津川水系 滝川支流 2021年6月26日

 

刈安谷(カリヤス谷)の遡行は、下山コースが定まらずにずっと延び延びにしていたのですが、W田さんから下山コースに関する詳しいメールをもらって、やっと実行できました。

まずは笹の滝の巻き。下降するルンゼに入ってからよく見ると、巻きは4つほどルートがありそうです。使ったのは上から2つ目のルート。短く懸垂したあと、そのままルンゼをクライムダウン。

落ち口は絶景。ここから、わらじの大先輩が三回に分けてアタックした壮絶ゴルジュが始まります。何をするでもなくできるでもなく、素直に左岸巻き道に。釣り師さんや滝マニアさんの大量の残置やアルミ梯子に導かれて迷いなくホホゴヤ谷出会いに着きました。

立合川の洞窟滝に匹敵するくらいの異空間です。

刈安谷のほんとうにいいとろこは人があまり入らないここから。刈安ブルーの水が太く強く流れ、白い岩盤をつたいます。

四つ滝までの右岸巻き道はやや分かりにくく、立ったスラブに刻まれた細いパンドを見つけなければ大高巻きになってたところです。ここの通過は少し高度感ありました。巻き終えて四つ滝(最下段)。

硬い一枚岩を丁寧に磨いたうっとりするような美しい滝です。今回は独りだし見るだけ。四つ滝もまとめて右岸から巻きました。

「ここ巻いて」「ここはこう越えて」「この根持って」自然の方から近づいてきてくれる感覚があります。そしてその声に忠実に従いそのとおりに動く。そうなると、もう何も考えることなく自在に動け、自在に動けている楽しさが心身に満ちます。ずっと続く楽しい既知感。それをたっぷり味わいながら、それでも緊張感を持ち続けて、巻き終わり。最後は懸垂で復帰。

四つ滝越えたあたりからやっと流芯を進みやすくなります。小滝を越えてしまうのもったいないな、終わってしまうやんとか感じながら越えて、やがて湧水滝。

どこをみても水また水。このような美しい場所にただただ立ち尽くすために命を運んできています。

湧水滝の水量はかなり多く、この辺りの水量の三分の一は湧水滝から入っています。とすると地形図上の流域面積と全く合致しない。計算が合わない。ここは1124ピークから北北西に伸びる伏流した枯谷が、最後の最後で何かに流路を変えられてやや上流に落ちていると仮定すればなんとなく納得できます。これは帰宅後に推測しました。

ほどなく夫婦滝。

スマホのパノラマ機能でなんとか両滝が収まりました。

雄滝の手前の左岸ルンゼから上陸。

河川およびその流域は私有地に含まないとのことなので、この遡行は不法侵入せず終われました。

最後は、どれだけ教えてもらっても、それでも迷う下山道を迷いつつ笹の滝に降りました。良い子はこの道を使ってはいけません。W田さんが言うように遭難します。そして宗教法人様はもう沢登りでの通過を許してくれません。それでもどうしても刈安谷に行きたい人はしっかり悩んでください。

今回は単独で巻き中心の遡行になったけど、それでもとても満足感の大きい遡行でした。

Segawa

 

 

 

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